トップへ

星野源、未来への希望浮かぶ「Hello Song」に“やっと会えた”喜び 『ANN』初オンエアを聞いて

2018年11月22日 07:02  リアルサウンド

リアルサウンド

写真

 11月20日の深夜に放送された『星野源のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)は、大注目の放送回だった。


(関連:星野源、アルバムタイトル『POP VIRUS』の真意 ジャケットにも言及した『ANN』を聞いて


 もはや説明不要の大傑作『YELLOW DANCER』から3年ぶり、待望のニューアルバム『POP VIRUS』が12月19日にリリースされる。そしてついに、今回の放送でアルバムから1曲を初オンエアするということで、リスナーたちは眠い目をこすりながらも期待に胸を膨らませてラジオが始まるのを待っていたことだろう。


 星野の「みんな集まれ! であえ!」という呼びかけから始まったこの放送。星野曰く、“星野源史上一番やばいアルバム”になっているという『POP VIRUS』の収録曲オンエアは深夜2時ごろからということで、まずは収録することがすでに発表されている「恋」が流れた。まさに“ウイルス”のごとく一気に世の中に感染(浸透)していったこの曲だが、2年前に発表されてから数えきれないほど繰り返し耳にしているにも関わらず、初めて聴いた時の胸が躍り出す感覚が薄れることはない。ちなみに今回流れたのはシングルの時の音源だったが、アルバム収録にあたり新たにマスタリングされ、さらに良い音になっているそう。アルバムを聴く楽しみがこれでまた一つ増えた。


 ここで急遽、ゲストとしてCreepy Nutsの2人が登場。ラジオの時と実際に会う時のテンションが違いすぎるという彼らの低姿勢ぶりが明かされたり、中学生の時はロン毛で「クソオタクだった」星野が、学校に毎日『名探偵コナン』を3巻ずつ持っていっていたエピソードなどが飛び出したりと、ブース内は火がついたように爆笑に包まれた。


 その後は、先日発表された4年連続の『NHK紅白歌合戦』出場や、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』の主題歌「アイデア」が「ドラマアカデミー賞」で「最優秀ドラマソング賞」を受賞したことについてリスナーから寄せられた祝福メールを読み上げ、『POP VIRUS』の初回限定盤付属ディスクに収められるスタジオライブや“ニセ明”ドキュメンタリーなど特典映像のこだわりなども語られた。改めて、今年も始まりから終わりまでぎっしりと星野の活躍を見ることが出来た1年だったとしみじみ感じたところで、ついにアルバム収録曲初オンエアのコーナーに。Twitterのタイムライン上で「起きて!」と周りの人を起こす言葉が飛び交う中、初オンエアされた楽曲はなんと「Hello Song」。同曲のサビは2016年から放送されていたAC(公共広告機構)のCMで流れていたが、フルオンエアは初。CMで使用したエレキベースではなくウッドベースやコントラバスを入れたい、と今回新たに使用楽器も変えて作り直されたという。


 一聴してまず、感想を言葉にするよりも先に「やっと会えた」という嬉しさが湧き上がってきた。イントロの今にも踊り出したくなるような軽快なテンポ、階段を駆け下りるようなメロディライン、サビの心が弾むハンズクラップ、間奏の跳ねるピアノの音と歌い出すようなギターソロ、そして“未来”への希望が浮かんでくる歌詞。この曲がCMソングとして流れることが決定した時、星野は「全ての人に笑顔の未来が訪れるよう祈っています」とコメントを出していた。この日、深夜に部屋で1人「Hello Song」を聴いて背中を押されたリスナーがどれほどいるのかを考えると泣けてきたりもする。一気に色々な感動と余韻が押し寄せてきた。


 ますます膨れ上がったアルバム『POP VIRUS』への期待、この1年の目覚ましい活躍、そして待ちに待った「Hello Song」のフルオンエアーー。それらをラジオの最前線で聴いているリスナー全員でハイタッチしながら喜び合うような、幸福感に包まれた濃い放送内容だった。(渡邉満理奈)