グランツーリスモSPORTのFIA公認チャンピオンシップ『FIAグランツーリスモ・チャンピオンシップ2018』のワールドファイナルが11月17~18日にモナコで行われ、ブラジル代表の20歳、イゴール・フラガさんが初代チャンピオンを獲得した。また、マニュファクチャラーではレクサスが王座に輝いている。
FIAとグランツーリスモを制作するポリフォニーデジタルが共同で開催しているFIAグランツーリスモ・チャンピオンシップ。開催初年度の戦いは2018年6月にスタートし、10月末までにアジア・オセアニア、欧州・中東・アフリカ、北米・中南米の3リージョンごとに予選とリージョンファイナルが行われ、そこを勝ち抜いたプレーヤーたちがモナコに集結した。
4レースの総合獲得ポイントで争われるネイションズカップ決勝では、第1レースでフラガさんがポール・トゥ・ウィン。続く、第2レースでは日本代表の山中智瑛さんが最終ラップでフラガさんを交わす逆転劇を演じて、3ポイント差に詰めよる。
続く、第3レースでフラガさんはリズムに乗れず失速。わずか1ポイントしか獲得できず、ランキング10番手まで後退してしまう。
迎えた最終の第4レースはル・マン24時間と同じサルト・サーキットを舞台に9周のダブルポイントレースとして開催された。
10番手スタートだったフラガさんはハードタイヤでスタートすると、ソフトタイヤ勢に迫るペースで周回して着実にポジションを上げると8周目にトップに浮上して、そのままチェッカー。一挙24ポイントを獲得して逆転で初代王者に輝いた。
山中さん、吉田匠吾さん、國分諒汰さんの3名が臨んだ日本勢は、40ポイントを獲得した山中さんのランキング4位がベストリザルトだった。
ネイションズカップ前日に行われた、グローバルランキングの上位16マニュファクチャラーで争われたメーカー世界一決定戦のマニュファクチャラーズシリーズでは、ニュルブルクリンクを舞台に行われた決勝レースで川上奏さん(日本)、ビンセント・リガード(フランス)、ティレル・メドゥス(USA)の3名がトリオとなったレクサスが優勝して初代チャンピオンに。
2位にトヨタ、3位にアストンマーチンが続き、トヨタ/レクサスがワン・ツーを決めている。そのほか日本メーカーではミツビシが4位、スバルが9位、ニッサンが10位、ホンダが12位だった。
グランツーリスモシリーズのプロデューサーである山内一典氏は「本日、e-Motorsportにとって素晴らしい歴史が造られました」とチャンピオンシップ初年度を総括する。
「私はこのチャンピオンシップに参加したドライバーの皆さんを誇りに思い、観客のサポートにも大変感謝しています」
「この1年間、選手たちが心から『グランツーリスモSPORT』を楽しみ、そして、そのパフォーマンスが本物のスポーツの名に恥じないほど、エキサイティングなものとなったことが何よりの喜びです」
またFIAのグラハム・ストーカーは「FIAは、このプロジェクトが世界中の何百万人ものモータースポーツファンに刺激を与えるものとして、非常に大きな可能性を有していると感じています。この大会で成功を収めるためには、高いレベルの技能とひたむきな努力が必要であることを、選手たちはその並外れたレーシングタレントで証明してみせました」と述べている。
なお、ネイションズカップで優勝したフラガさんは、12月にロシア・サンクトペテルブルクで行われる年間表彰式、FIAガーラでルイス・ハミルトンやセバスチャン・オジエなど、F1やWRC世界ラリー選手権などのワールドチャンピオンとともに表彰を受ける。
グランツーリスモSPORT内のワールドファイナル特設ページでは各レースのライブ映像がアーカイブ配信されている。グランツーリスモSPORTトッププレーヤーたちの手に汗握るバトルは一見の価値ありだ。