11月19日、スペイン・バレンシアのリカルド・トルモ・サーキットで2019年のMoto2クラスに関するプレスカンファレンスが開催され、来季のMoto2エンジンとなるトライアンフと、新しいECUに関する説明が行われた。
会見にはトライアンフのチーフエンジニア、スチュワード・ウッド氏とテクニカルディレクターであるエクスターンプロのトレバー・モリス氏、来季のオフィシャルECUサプライヤーとなるマニエッティ・マレリのバイクシステムマネージャー、マルコ・ベンチュリ氏、MotoGPテクノロジーディレクターのコラード・チェッキネリ氏が出席。
まずトライアンフのウッド氏が、2019年シーズンからMoto2に供給するトライアンフエンジンについては説明した。来季からMoto2に供給されるトライアンフのワンメイクエンジンは、ストリートトリプルRSの765ccエンジンをベースに開発されている。2018年まで使用されていた4気筒のホンダエンジンに対し、トライアンフは3気筒エンジンだ。そのエンジンは140馬力を発生させるという。
「エンジンは、トルクと回転数を引き上げる一方、慣性を減少させ、より軽量化した。80以上の新しいコンポーネントがある」
「テストと開発は主に3段階によって行われた。開発は2年間にわたり、我々はサーキットで、2万5000以上のラップを周回した」
また、MotoGPテクニカルディレクターのチェッキネリ氏は「重要なステップだ」とMoto2が新たに迎える時代について語る。
「Moto2はこれまでのところ成功している。このシリーズが公平なレースであること、すばらしいショーであること、また、かけられる予算についても確認しなければならない」
「(来季のMoto2について)パフォーマンス向上が期待されるが、それは目的ではない。この新しいエンジンによって、Moto2の技術的な部分が前進することを求めている。ライドバイワイヤは、我々が前進する手助けをしてくれるだろう。ライドバイワイヤは多様なトルクマネージメントが可能だからだ。スタッフやライダーは、エンジンを思うようにできると知るだろう」
トルクマップとエンジンブレーキは「Moto3以上のものだが、MotoGPよりも簡単なフォーマットとなる」ということだ。
2019年シーズンからMoto2のオフィシャルECUとなるマニエッティ・マレリのベンチュリ氏はECUについて説明。マニエッティ・マレリは現在、MotoGPクラスに共通ECUを供給している。
「我々にとって大きなチャレンジだった。Moto2の技術レベルの改善が求められたからだ。構築にはMotoGPで成熟させた経験が役立った。我々は部品の選択からパフォーマンスに至るまで、MotoGPに近いものを造ろうとした」
2019年に向けたMoto2の公式テストは、11月23~25日、スペインのヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで行われる。2010年からスタートして以来、ホンダエンジンのワンメイクで争われてきたMoto2。トライアンフエンジンという、新しい時代が到来する。