2018年のWRC世界ラリー選手権でマニュファクチャラーズランキング最下位の4位に終わったシトロエンは、近日中にも2019年に向けたテストを実施する意向を明らかにした。
2018年シーズンはシトロエンC3 WRCの2台体制を軸にWRCへ参戦したシトロエンは第2戦スウェーデン、第3戦メキシコで表彰台を獲得したものの、その後は思うような結果を残せず。シーズン途中にはクラッシュなどが頻発していたエースのクリス・ミークとの契約を解消するなど、体制の立て直しを図っている。
チーム体制再建の効果もあってか、第12戦スペインではスポット起用したセバスチャン・ローブが自身通算79回目の総合優勝を達成し、シーズン初優勝。11月15~18日に行われた第13戦オーストラリアでは競技初日に総合トップ2を確保し、最終的にマッズ・オストベルグが総合3位表彰台を獲得した。
2018年1月からチームの指揮を執っているピエール・ブダールは「第12戦スペインに引き続き、第13戦オーストラリアで表彰台を獲得したことをうれしく思う」とシーズン最終戦をふり返った。
「特に大会序盤にクルーがみせた走りは素晴らしく、(競技初日の)金曜を(オストベルグとクレイグ・ブリーンが)総合1番手、2番手で終えたのは最高だったね」
「(競技最終日は)油断を許さないコンディションになり、数名のドライバーがリタイアを余儀なくされるなか、マッズはC3 WRCを安定して走らせて、極めて堅実な走りで3位表彰台を獲得したんだ」
「大会期間中、チームがみせた働きに見合う結果だと思うよ。彼らは10時間という簡単には拭い去れない時差を抱えながら、この週末、大きなミスをしなかったのだからね」
シーズン終盤に復調の兆しをみせたシトロエンには2019年、シリーズ6連覇を達成している“絶対王者”セバスチャン・オジエがチームに復帰加入するほか、トヨタで2シーズンを過ごしたエサペッカ・ラッピも加入するなど、ドライバーラインアップを刷新する。
ブダール代表は「今年築き上げた基盤があれば、2019年シーズンは今年以上の戦闘力で、リラックスした心境で臨めるはず」と2019年シーズンへの思いを明かす。
「我々は依然としてチーム再建の最中で、この仕事をやり遂げるにはハードワークを続け、さらに向上させることが重要だ。ただ成果は徐々に表れていて、正しい方向に進んでいるよ」
「歩みを緩めるわけにはいかない。ヨーロッパに戻り次第、(2019年に加入するセバスチャン・オジエなど)新たなクルーとテストを始める準備を開始する。こうすれば、彼らはC3 WRCのフィーリングを確認できるし、開発も進めることができる」
「ようやく彼らと一緒に仕事をすることができる。実際にテストをできるということはチーム全体のモチベーションにつながっている」