病児保育や障害児保育園を展開するNPO法人フローレンスは11月20日、一度退職したスタッフが再入社できる制度の運用を開始したと発表した。
スタッフが退職した場合、退職日の翌日から3年間有効なサーモンチケットを発行。再入社を希望する人を対象に、採用選考を進める。"サーモンチケット"という名前には、「鮭のように戻ってきてね」という思いが込められているという。
「再入社を希望される方は、即戦力として活躍を期待します」
サーモンチケット発行の条件は、正社員として働いていたこと、自己都合退職であること、勤続1年以上の退職であることの3つ。退職者には、再入社対象者のデータベースに登録してもらい、フローレンスの取り組みの記事やイベントの案内を随時メールにて配信する。
在職中に、とくに貢献の度合いが大きかったスタッフには、「プラチナサーモンチケット」を発行し、5年以内の復職を認めるとともに、同窓会イベントにも招待する。公式サイトでは、
「退職した後に、フローレンスで学んだことや身につけたことをもって、別の場所でも力を発揮する人材が多くいました。そうした退職スタッフが、その後も様々な接点をもって、フローレンスに関わってくれた事例がたくさんあることから、再入社を希望される方は、即戦力として活躍を期待します」
と呼びかけていた。
エン・ジャパンが今年4月に発表した調査によると、一度退職した社員を再雇用したことがある企業は661社中72%に上った。即戦力になることや人柄がわかっているというのが、再雇用の主な理由だ。
再雇用制度を導入する企業も増えてきている。明太子を製造する「ふくや」(福岡県福岡市)は今年2月から、退職しても3年以内なら復職できる制度を導入した。不動産開発の大京グループも今年3月、離職中に他社で働いていないことなどを条件に復職を認める「ジョブ・リターン制度」を導入している。