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バラエティだけじゃない 関ジャニ∞ 村上信五、幅広い役を器用にこなす役者としてのポテンシャル

2018年11月20日 12:02  リアルサウンド

リアルサウンド

 今やMCとしてのポジションをすっかり確立させた、関ジャニ∞ 村上信五。そんな村上が11月13日放送の『ありえへん∞世界 3時間SP』(テレビ東京系)にて、スペシャルドラマの出演を果たした。これまで同番組内で度々再現ドラマに出演し、「再現ドラマ専門役者」と言われていた村上。彼が出演してきたのはコメディ色が強い再現ドラマがほとんどで、再現ドラマというよりもコントに近い印象であった。しかし、それも村上らしさが出ており、大好評。SNSなどでも話題になっていた。


 こんな風に最近はすっかりバラエティのイメージがついている村上だが、実は想像以上
にドラマへの出演本数は多い。『ありがとう、オカン』(カンテレ・フジテレビ系)で主演を務めて以降、『0号室の客~HOTEL POINT~/Fourth Story 追い詰められた男』(フジテレビ)、『生きてるだけで なんくるないさ』(日本テレビ系)、『ハクション大魔王』(フジテレビ系)と、次々に主役を演じてきている。村上の演技を一言でいうと、「器用」。特に関ジャニ∞の他のメンバーと比べると、良くそれが分かると思う。


 例えば、最近精力的に演技の仕事をしている錦戸亮。彼の演技は、「この役はこういう言い方をするだろう」「こういう場面ではこういう行動を取るだろう」と与えられた役を自分の中で噛み砕いた上でアウトプットしている印象だ。演技のキャリアが浅かったころは噛み砕き方の幅が狭く感じたが、最近では非常に多様化してきている。様々な役を違和感なく演じられるようになっていることが、その証拠ではないだろうか。一方村上は、はじめから様々な役を器用にこなしていた。上記の作品を見ても、感動ドラマからギャグまで幅広い。


 さらに、彼の演技はリアリティがある。というのも、どんな役でも全て“村上信五”なのである。賛否両論はあるが、ひとつの演技ブランディングではないかと思う。声のトーンや仕草など、バラエティで見る“村上信五”ゆえ、「このドラマの中に村上が迷い込んだら……」という視点で見ることができる。ある意味、素っぽさが垣間見え、リアルさが表れているのだ。例えば『生きてるだけで なんくるないさ』では、若くして悪性腫瘍を発病したシリアスで難しい役だったが、「村上がこの役のような状態になったらこういう反応を取るのかもしれない」というリアリティを感じた。


 これは、『ありえへん∞世界 3時間SP』のスペシャルドラマでも健在だった。中国マフィア検挙のために1年半潜入捜査を行い、結婚披露宴を利用して一斉逮捕するという事件の再現ドラマで潜入捜査官を演じた村上。村上演じる周刑事は、自身の合図で警官が一斉に踏み込むという大役を担っている。ともなると、演者としては顔に緊張感が表れたり、声が強張ったりするものだが、村上は一切ない。かといって、今までのコント色が強い再現ドラマとは違い、顔にしまりがないわけでもない。先輩マフィアに潜入捜査がバレそうになった時の焦ったような顔はリアルそのものだ。あくまでも、“大役を担った村上信五”なのである。


 以前、『しゃべくり007』(日本テレビ系)で、「歌、演技、バラエティ、どれを選ぶ?」と質問された際、なんの迷いもなく食い気味に「バラエティ」と答えていた村上。だが実は、どの仕事もそつなくこなす“Mr.器用”なのだ。バラエティは言わずもがな、歌はデビュー当時と比べて格段に上手くなっているし、演技も独自のスタイルで的確にこなす。バラエティのイメージが強い彼だが、村上はジャニーズのマルチタレントの筆頭と言えるのではないだろうか。(高橋梓)