WEC世界耐久選手権は11月17日、LM-GTEアマクラスに参戦するデンプシー・プロトン・レーシングがデーターロガーに関する違反を行なったとして、同チームの77号車、88号車ポルシェ911 RSRが2018/2019年“スーパーシーズン”中に獲得したすべてのドライバーズポイント並びにチームポイントを剥奪したと発表した。
6月のル・マン24時間レースでクラス優勝を飾るなどの活躍で、チャンピオンシップをリードしていたデンプシー・プロトン・レーシングにとって厳しい裁定が下った。
2台のポルシェを走らせるチームは、スーパーシーズン第4戦富士で77号車がクラス8位、星野敏も乗り込んだ88号車が同2位表彰台を獲得した。しかしレース後、2台の最低給油時間が規定の45秒に満たないことが判明。88号車に76秒、77号車については31秒のタイム加算ペナルティを受けている。
その後、FIA国際自動車連盟とACOフランス西部自動車クラブは、第4戦から第5戦上海の間にさらなる調査を実施。そのなかで両車のデータロガーが不正なプロセスを経てシリーズ側にデータを提供していることが判明したという。
この調査結果を受けてFIAとACOはWEC上海のレースウイーク中、2台の富士戦失格をアナウンスするとともに、今季全ラウンドの獲得ポイントを剥奪すると明らかにした。
調査チームによれば、2台のロガーデータはWEC富士で最低給油時間に足りない約2秒が人為的に追加修正されていたほか、この不正なシステムが8月のシルバーストンから可動していたとみられるという。
今回の調査においては、チーム代表兼ドライバーのクリスチャン・リード、テクニカルディレクターを務めるマイケル・リードのヒアリングが行われ、彼らはチームとしての関与を否定。外部コンサルタントによってデータが修正されたと主張し、全ポイント剥奪という決定に対しても控訴する意向を示している。