2018年のWRC世界ラリー選手権に3台のフォード・フィエスタWRCを投じたMスポーツ・フォードは王者セバスチャン・オジエがライバルを抑えてドライバーズタイトルを獲得した一方、チームランキングは3位となり、マニュファクチャラーズタイトル連覇はならなかった。
シリーズ最上位クラス唯一のプライベートチームであるMスポーツは、この2018年からフォードの支援が強化され、『Mスポーツ・フォード・ワールド・ラリーチーム』としてWRCに参戦した。
ドライバーラインアップは王者オジエと若手エルフィン・エバンスをメインにテーム・スニネンやブライアン・ブフィエを入れ替える構成。なかでもエース格のオジエはシーズン4勝を挙げると、3ポイントリードで最終戦オーストラリアに臨んだ。
このラリー・オーストラリアでオジエは総合5位に入った一方、ライバルのティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)、オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)は競技最終日を完走できず無得点に終わったため、オジエはMスポーツ加入後2年連続、通算では6年連続のドライバーズチャンピオンに輝いた。
その一方、マニュファクチャラーズタイトルでは得点を伸ばせず、トップのトヨタとは44ポイント差の3位。2年連続のマニュファクチャラーズタイトル獲得はならなかった。
なお、6連覇を達成したオジエは2018年限りでMスポーツを離脱。2019年はシトロエンへ加入することがアナウンスされている。
チームの指揮を執るマルコム・ウィルソンは「感動的な1日だった。今回のチャンピオン獲得には多くの意味が詰まっているからね」とオジエのチャンピオン獲得を喜んだ。
「(ランキングトップと点差があった)2カ月前は厳しい状況だったが、セバスチャンとジュリアン(イングラシア/コドライバー)がいれば、不可能は存在しない」
「最後の3戦でふたりが見せた走りには目を見張るものがあり、ともに成し遂げたことをとても誇らしく思う」
「今シーズン限りでふたりがチームを去ってしまうのは寂しいが、チームの努力があったからこそチャンピオンを獲得できた。チームのひとりひとりがしっかり役目を果たした結果なんだ」
「また素晴らしいチャンピオン争いを繰り広げたオット(タナク)とティエリー(ヌービル)のことも、たたえたい。彼らがどれだけ強力なドライバーなのか、よく知っているし、最高の3人による最終戦までもつれたチャンピオン争いは見ていて本当に楽しかったよ」
「今、WRCというモータースポーツはひとつの頂点を迎えていて、このスポーツにかかわっている人間は誰もが誇りを持つべきだと思う」
また、フォード・パフォーマンスでグローバル・ディレクターを務めるマーク・ラッシュブルックも「6度目のチャンピオンを獲得したセバスチャンとジュリアンを最大級の賛辞を送りたい。彼らはふたたびフォード・フィエスタWRCに最高の瞬間をもたらした」とのコメントを寄せている。
「チャンピオン獲得は、優秀なチームがシーズンを通して続けた努力の賜物であり、Mスポーツとフォードの全員が心の底から誇りに思うことだろう」
なお、Mスポーツ・フォードはオジエが去る2019年の参戦体制について、11月19日時点ではアナウンスを行っていない。