仕事をテキパキこなしながら的確な指示を出してくれる。困った時はすぐに助けてくれて、悩み相談にものる。そんな頼もしい上司が身近にいると心強いだろう。求心力があり、チームを導いてくれる上司がいることで、部下の意識やモチベーションは上がる。
企業口コミサイト「キャリコネ」には、そんな「尊敬できる上司」に関するさまざまな口コミが寄せられている。【参照元:キャリコネ】
「仕事だけでなくプライベートの相談も聞いてくれる」
「社員の人柄がよく、人間的な側面からも信頼できる上司を見つけることができる職場環境。入社時にキャリアプランにあわせてついたメンターがすごく尊敬でき、その方のアドバイスや指導のおかげで初年度の激務にも対応することができた」(経営コンサルタント 20代前半男性 正社員 年収450万円)
「仕事のできる上司も多かったので言葉の言い回しやアプローチの仕方など、営業としてのスキルが身についた」(法人営業 20代後半女性 正社員 年収500万円)
「経験豊富な上司がいます。 何か困った時は必ず助けてくれますし、仕事のことのみならず、プライベートな相談に対しても親身になって、受け答えしてくれます。尊敬できる上司が多く、刺激をうけ、高いモチベーションで業務に励むことができます」(カスタマーサポート 20代後半女性 派遣社員 年収300万円)
尊敬できる上司の存在は、仕事のしやすさ、モチベーションに良い影響を与える。口コミでは、「上司の指導や支えによって成長できた」という声が多くみられた。
周りから信頼され、尊敬される上司は、その人自身のふるまいや仕事に対する姿勢そのものが参考になることが多い。こうした上司のそばで仕事をしていると、自然とビジネススキルが身につくようだ。
また、「いつも笑顔で接している」「ストレスを感じても表に出さず明るく振る舞っている」など、人間的な魅力も尊敬できる上司の条件として欠かせないようだ。
こうした口コミが書かれた企業は、「研修や教育体制、キャリアアップ体制が整っており、職場の風通しが良い」ことが共通している。社員のスキル向上に力を入れ、資格取得制度も充実していた。さらに、個人情報保護法や人権問題などの研修にも取り組み、コンプライアンスがしっかりしている会社も多かった。
人材育成に力を入れ、コンプライアンスを徹底している会社で勤めると、尊敬できる上司に恵まれる確率だけでなく、会社そのものへの満足度も高くなるようだ。
企業が労働者をサポートすることで良い人材が育ち、その人材が部下を導き、再び良い人材が育っていく。こうしたプラスの循環が起こる企業はますます成長する。快適な職場環境も人材を育てる1つの鍵と言えるかもしれない。
目標とする存在がおらず退職する人も「モチベーションも上がらなかった」
「周りに尊敬できる上司がおらず自身のキャリア形成のイメージがわかなかった」(金融関連職 30代前半男性 正社員 年収300万円)
「尊敬できる上司が少ない。いかに仕事をしないで済むかを考えて仕事をしているように感じる。まじめに取り組む者はストレスを強く感じる職場」(広報 30代前半女性 正社員 年収600万円)
「信頼できる上司や同僚はいませんでした。正直、モチベーションも上がらず常に惰性で仕事しているような状態でした」(建築・設備関連職 30代後半男性 正社員 年収424万円)
尊敬できる上司に恵まれた口コミがある一方で、信頼できる上司に出会えず職場を去ったという口コミも目立った。
職場で目標となる存在がいないと、今後のキャリア形成が見えず、将来を不安に感じる人も多いだろう。上司が仕事の手を抜いている場合、真面目に働く部下たちのモチベーションは下がり、「手抜きが当たり前」の環境になる。
職場の雰囲気は良くも悪くも、上に立つ人間の存在で変わってしまう。企業は「部下を上手に育て、職場に良い影響を与えてくれる人材」を見抜き、適所に配置すべきだろう。また、会社全体でロールモデルとなる存在を育てる意識が必要だ。
※調査ワード「尊敬できる上司」