第65回マカオグランプリは11月18日、現地時間12時25分からFIA GTワールドカップの決勝レースが行われ、ポールポジションからスタートしたアウグスト・ファーフス(BMW M6 GT3)がメルセデス勢の追撃をかわし優勝。このレースで勇退となるチーム・シュニッツァーのチャーリー・ラム代表に捧げる勝利を飾った。
2015年からFIA国際自動車連盟により、FIA GTワールドカップとして開催されているマカオグランプリのGTレースは、いよいよ最終日を迎えた。前日の予選レースでクラッシュしたローレンス・ファントール(ポルシェ911 GT3 R)をのぞく14台がグリッドに着き、うっすらと陽が差すなか迎えたスタートでは、ポールポジションのファーフスがリードを広げるも、序盤2番手スタートのラファエル・マルチェッロ(メルセデスAMG GT3)がリスボア・ベンドでコースアウトしてしまう。
メルセデス勢はマルチェッロがポジションを落としたものの、マーロ・エンゲル、エドアルド・モルタラというふたりがレースのほぼ全周に渡ってファーフスのBMWを追う展開となる。しかしファーフスは最後は0.981秒差の差をつけ逃げ切った。
このレースでファーフスのBMW M6 GT3には『THANK YOU, CHARIE!』と今季限りで勇退するBMWチーム・シュニッツァーのチャーリー・ラム代表に最高のプレゼントを贈ることに。サインガードでレースを見守ったラム代表は、うっすらと涙を浮かべた。
パルクフェルメでラム代表をはじめ、チームメンバー全員と抱擁をかわしたファーフスは「僕たちはいつも一緒にレースを戦ってきて、チャーリーをずっと信頼してきた。すごく特別な勝利だで、感情的になっている。チャーリーありがとう」とコメント。2位のエンゲル、3位のモルタラも「BMWとアウグスト、チャーリーにおめでとうと言いたい」とシュニッツァーの勝利を讃えた。
また、ラムも「魔法をかけられているような素晴らしい時間だ。自分のキャリアにとっても最高の瞬間になった。ファンの皆さんにとってはオーバーテイクが少ないレースになってしまって申し訳ないけどね(笑)。BMWとみんなに感謝を伝えたい。ありがとう」と語った。
2位はエンゲル、3位はモルタラ。4位はアール・バンバー(ポルシェ911 GT3 R)、5位はロビン・フラインス(アウディR8 LMS)となった。KCMGから3台が参加したニッサンGT-RニスモGT3勢は、アレキサンドレ・インペラトーリが10位フィニッシュ。最後尾スタートだった松田次生は、トラブル続きだったこの週末、ようやくきっちりと走ることができ、ダリル・オーヤン(ポルシェ911 GT3 R)をかわし13位でチェッカーを受けている。
「今日はあまりデータがないなかでのレースとなりましたが、思ったよりも路面ができていましたね。僕たちはちょっとロール量が大きかったのですが、なんとか1台ポルシェだけは抜きたいと思って、前に出られました」と次生。
「まだまだ課題は多かったですが、19年ぶりのマカオを楽しむことができました。このデータを次に活かせるようにして欲しいですし、もしチャンスがあれば、またマカオに挑戦したいです」