「深夜に帰宅し、早朝出勤が当たり前」「常に疲れて顔色が悪い」夫がこんな状態だったら、勤務先はブラック企業だと、妻は気づいているでしょう。心配はしていても、一家を支える人の仕事が無くなるのは困る、どうすればいいのかと悩む日々が続きます。
先日、ガールズちゃんねるにも、「旦那がブラック企業で働いている!」と悩みを寄せた人がいました。投稿者の夫はイベント系の仕事をしており、現場によって毎日バラバラな勤務。日付が変わる頃の帰宅がほとんどで、午前4時に帰宅したのに7時に起きて現場に行くことも。地方への出張も多く来月は1回しか休みがありません。こんな状態で、投稿者はもうすぐ出産予定だといいます。(文:篠原みつき)
タイムカードもなく残業代もなし 次々と人が辞めて行く職場
正社員ですが月給は手取りで21~25万円ほど。タイムカードはなく残業代はつきません。子どもが生まれたら泊りの仕事は少なくしたいと夫が会社に申し出ると、「昇給は見込めない」と言われたそうです。
「とにかくどんどん人が辞めて人員不足のようです」とも書いており、どう考えても旦那さんはブラック企業にお勤めです。投稿者は「同じような方、どのように対応しているのかが知りたいです」と問いかけていました。
スレッドの声は、「過労死する前に証拠(細かく日記をつけるとかでもいい)とって労基署に訴えたら?」という声のほか、転職を薦める声が多数上がりました。
「転職すすめるかな。子供が産まれても子供に会えない、一緒に育児できないのなら家庭の意味がない気がして」
「貯金があるなら失業保険もらいながらでも転職活動したらよくない? 自分の夫が寝る間もないほどの激務なら迷わず転職すすめるわ」
当然と言えば当然の意見ですが、その一方、「簡単に転職って言う人いるけど、旦那の年齢や今の収入次第では出産控えている状態での転職って危険だと思う」など、難色や懸念を示す人もいます。「でも簡単に転職って言うのもね。転職活動ってほんとに大変だし、働きながらなんて修行レベルの大変さだから」というコメントは、一家の大黒柱は少しも休まず働き続けなくてはならないという前提でしょうか。所帯持ちの男性の辛い立場を感じます。
「辞めてしばらく休んでいい。しばらくの間は私が仕事する」
それでも、夫の心身の健康を考えればこのままでいいはずはありません。労働者の健康管理をサポートする産業医連盟は、「月の残業時間が45時間を超えると、脳卒中や心疾患などさまざまな病気のリスクも増える」と注意喚起しています。
厚労省が発表した2017年度の「過労死等の労災保障状況」によると、「脳・心臓疾患に関する事案」は請求だけで840件にものぼります。脅すわけではありませんが、大事な家族として見過ごすことはできません。
スレッドの中には、「30代前半なのにどんどん白髪が増えて骸骨のように痩せていく夫」を見かねて、
「あなたが死んだら元も子もない。辞めて暫く休んでいい。暫くの間は私が仕事する」
と説得し、退職させたという妻もいました。「半年程転職活動をして、ホワイトまではいきませんが残業も規定通りでボーナスもキチンと出る良い企業に転職できました」と続けています。その間葛藤もあったようですが、いつ倒れてもおかしくないという夫の状態を、妻が助けた例だと思います。「私が働くから辞めていい」という言葉だけでも、夫を追い詰める要因の一つを外すことにもなったでしょう。
家族や奥さんは本人も気付かない異常を客観視できる強い味方です。妊娠中の妻がいるからこそ、健康や子育てをないがしろにする会社からは逃げなくてはいけないはずです。まずは退職して、そこから転職活動をすることは、家族があるからこそできることかもしません。