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WEC上海:トヨタ、雨予報の決勝に向け有利な最前列確保。中嶋一貴「予選用でなければプライベーターに負けていたかも」

2018年11月17日 22:51  AUTOSPORT web

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ポールポジションを獲得した7号車トヨタTS050ハイブリッド
WEC世界耐久選手権は11月17日、上海国際サーキットで第5戦上海6時間レースの公式予選が行われ、TOYOTA GAZOO Racingは7号車トヨタTS050ハイブリッド(小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス/マイク・コンウェイ組)がポールポジションを、8号車トヨタTS050ハイブリッド(中嶋一貴/フェルナンド・アロンソ/セバスチャン・ブエミ)は総合2番手を獲得し、2台がフロントロウを独占した。

 悪天候に見舞われた前日から一転して天気が回復した17日は、午前中に60分間のフリープラクティス3が行われた。この週末、初めてドライコンディションでの走行が可能となったこの機会に、トヨタを含む全チームは午後の予選に向けた調整を実施していく。
 
 迎えた予選、トヨタは7号車が可夢偉、8号車はアロンソが最初のアタックを担当し暫定首位と3番手で前半を終了。可夢偉からコンウェイ、アロンソから一貴にそれぞれドライバーを交代し後半のアタックに入った。マシンを受け継いだふたりは、それぞれのマシンのアベレージタイムを更新し、7号車、8号車という順でトップ2を占めた。
 
 通常の予選ならば決勝でのタイヤマネージメントを考慮し、ここでアタックを終了する。しかし、今回は決勝日が雨予報となっていることに加えて、走るごとに路面コンディションがよくなっていること、さらにライバルのLMP1ノンハイブリッド車勢が僅差の3番手につけているためトヨタは3セット目の新品ドライ用タイヤを投入し、ふたたび可夢偉とアロンソをアタックに向かわせている。

 結果的にこの作戦が功を奏し、思惑通りタイムアップを果たした7号車がポールポジションを獲得。8号車が0.228秒差の2番手に。8号車と総合3番手につけたレベリオン・レーシングの1号車R13・ギブソンとのギャップはわずか0.059秒で、トップ4のタイム差も1秒以内と、これまでの予選と比べてプライベーター勢のスピードが増していることがわかる。

■小林可夢偉「最速ラップには満足だが、決勝はタフなレースになりそう」

「素晴らしいクルマを仕上げてくれたチームに感謝します。午前中、コースがとても汚れていたのですが、予選セッションの間に良くなりました」とポールを獲得した予選をふり返った可夢偉。

「マイク(・コンウェイ)が素晴らしいラップタイムをマークした後、僕も再度アタックし、さらにタイムを更新することができました」

「自分のラップタイムには満足していますし、ポールポジションからスタートできるのはうれしいですが、明日の決勝レースはタフなものになると予想しています」

 7号車の後半アタックを担当したコンウェイは「またポールポジションを獲得できてうれしいよ!」とコメント。
 
「僅差の戦いで、セッションが進むごとにタイムが塗り替えられ、新しいタイヤへと交換することでさらにラップタイムを縮めていったんだ」

「僕たちはセッションを通してレベリオンや、チームメイトの8号車トヨタよりも速いタイムを刻み続けることができた。先頭からスタートが切れるのはいつでも良いものだね。明日はこのポジションを守れるようにベストを尽くしたいと思う」

■中嶋一貴「ノンハイブリッド勢がとても速く、驚いた」

「7号車に対しては少しスピードが足りませんでしたが、予選ではベストを尽くしましたし、クルマの出来には満足しています」と語るのは8号車の一貴。

「驚くべきことはLMP1ノンハイブリッド車が非常に速かったことです。僕たちは予選用のハイブリッド・パワー・セッティングで走りましたが、彼らはほぼ同じペースでした」

「それがなければ負けていたかもしれません。明日のレースでは適切なタイヤ選択を行い、ミスなく走ることに集中します」と意気込みを語った。

 そんな一貴のチームメイトであるアロンソは「予選をワン・ツーで終えることができたのはチームにとって非常に良い結果だと思う」とコメントする。

「ただ、ノンハイブリッド車とは非常に接戦で、予選用のセッティングに加えて、リードを保つため走行のたびに新品タイヤを使う必要があった」

 明日の決勝については「雨が予想されているから、難しいレースになりそうだね」と語った。
 
 WEC“スーパーシーズン”第5戦上海は、18日(日)11時00分(日本時間12時00分)に6時間レースのスタートが切られる予定だ。