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Amazon Echoと会話しファッションを決める AMBUSH®とAmazonのコラボ施策レポート

2018年11月17日 10:31  リアルサウンド

リアルサウンド

 m-flo、TERIYAKI BOYZなど音楽シーンでも活躍の目覚しいVERBALがYOONと共に立ち上げたブランド「アンブッシュ(AMBUSH)」とAmazon Fashionのコラボしたポップアップストア『Amazon Fashion SPECIAL POP UP STORE with AMBUSH』が、11月9日よりオープンした。


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 渋谷の『AMBUSH WORKSHOP』では、限定アイテムの販売やAmazonの音声AIアシスタントアレクサが搭載されたAmazon Echoシリーズを設置した特別な体験ができる空間を用意。同ポップアップストアはAmazon Fashionが実施する特別プログラム「AT TOKYO」の企画の一環であり、3月に東京で行われたショーに続いての取り組みとなった。ポップアップストア期間中、『AMBUSH WORKSHOP』の外観はAmazonのボックス型になり、店の外に描かれたQRコードは実際に読み取ることが可能となっている。QRコードではAT TOKYOのAMBUSH®のページに直接アクセスすることができ、細かな気配りのされた仕掛けまで用意されていた。


 店内にはAMBUSHとAmazonのコラボロゴの入ったテープが飾られ、独特な雰囲気に様変わりしている。その中に立ち並ぶAmazon Echoシリーズが圧巻だ。これらの機器は「アレクサ」と話しかけると起動して、話しかけた指示に従ってくれる。実際に筆者が「アレクサ、アンブッシュを開いて」などと話しかけると、AMBUSHのwebページを開いてくれた。他にも商品のレコメンド、服を飾っているディスプレスのライトの色を変更、写真を撮るなどがアレクサへの指示で実行可能だ。アレクサに指示して撮影した写真は、クラウドを通して店舗のスタッフから受け取ることができる。写真にハッシュタグをつけてSNSにシェアすると、特別なギフトがもらえるなど、体験してより楽しめるコンテンツも充実していた。


 また、同ポップアップストアの魅力の一つに、AMBUSHのCEOであり、Creative Directorを務めるVERBALがセレクトしたプレイリストを楽しめることもある。このプレイリストは実際に店内のAmazon Echoで再生することも可能。Amazon Music Unlimitedの会員に登録している人は、自宅のAmazon Echoでも聴くことができる仕様になっている。


 この試みでは、トレンドを一つの価値とみるファッションの世界と、最先端であることに価値がつくテクノロジーの世界の融合が体験できる。人員に頼らず商品のレコメンドができたり、ディスプレイの色変更では見るだけでなく変化を加えることでより「参加型」のファッション体験を実現した。ライトの色変更は今後、服の色の見え方の違いなどでより実用的にすることもできるだろう。


 また、当ポップアップストアではAmazonとコラボした特別アイテムが購入できる。コラボアイテムであるロングスリーブの袖には「Work Hard. Have Fun. Make History」というAmazonのスローガンが記されており、AMBUSHのストリートテイストの中にAmazonの理念が織り込まれたエクスクルーシヴなアイテムとなった。


 また、ここからはAMBUSH CEO/Creative Director VERBALとアマゾンジャパン合同会社バイスプレジデント・ファッション事業部門統括事業本部長であるジェームズ・ピータースのインタビューを紹介する。


 AMBUSHとAmazonのコラボアイテムに身を包んだVERBALとジェームズは、時折談笑を交え和やかな雰囲気で会見はスタート。司会から、今回のポップアップストアがAT TOKYOにおいてどんな位置づけてあったかを聞かれると、ジェームズは「今回やりたかったことは、AMBUSHのような最前線にいるブランドと共に、ファッションと音楽を融合させるということです。Amazonの音楽とデバイスを融合させるのに、最適であると思い今回の企画を実現しました」と語った。


 また、VERBALは実際に店舗に設置されたAmazon Echoの感想を問われると「これからアレクサのようなAIを利用したプロダクトを通して、新しい体験をショップでしていただきたい。今回はその第一歩として、素晴らしい取り組みができたと思います」と晴れやかな表情。ファッションとテクノロジーの融合に期待をみせた。さらに同様の内容を聞かれたジェームズは「私どものやっていることは、できるだけ障壁を取り去りたいということです。お客様ができるだけ色々な形でショッピングを楽しめるようになったら嬉しい。アレクサによって、お客様はより商品の”近く”に寄れると思いますし、その経験はお客様にとってもより良い経験になるはず」と答えるなど、従来の形にこだわらない新しい形の「店舗」を追求していく2人の姿が見て取れた。


 今回のポップアップストアでは3月のショー以来、再度AMBUSHにフォーカスを当てた取り組みとなる。これについて、なぜAMBUSHであったのかとジェームズが問われると「AMBUSHは常に先を行っているブランドであり、我々がミュージックとデバイスを融合させるには最適なブランドであったということが挙げられます。YOONさん、VERBALさんともに非常にいい関係で仕事ができて、『またぜひやってみたい』という運びでこうなりました」と説明。さらに「ファッションというのは、ただの洋服ではなくて、人は着ているものに愛着を持つ。それは音楽もデバイスも同じで、人の人生を変えるという意味では、全て共通しているものだと思います」と話し、取材は終了した。


(Nana Numoto)