2018年11月17日 10:22 弁護士ドットコム
親にバレずにアルバイトをするにはどうしたらいいのかーー。複数の学生から、こうした相談が税理士ドットコムに寄せられています。コツコツ秘密の貯蓄をしたり、バイトをしていることをそもそも内緒にしたりなど知られたくない事情があるのでしょう。
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女子大生(20歳)とみられる人の相談をここでは取り上げます。相談者は、時給1200円のアルバイトを毎週10時間する予定。そのバイトの応募欄には、「扶養控除内勤務可」と書かれていたそうです。背景はうかがい知れませんが、「親が調べれば私がバイトをして収入があることはわかってしまうのでしょうか」と心配しています。実際どう考えられるのか、安藤由紀税理士に聞きました。
ーー扶養されている学生のアルバイトが親バレしてしまう境界線を教えてください
「バイトがバレるのは、扶養の範囲を超えて働いた場合です。親御さんの扶養控除内でいるためには、お給料を年間103万円までにしないとダメ(交通費は含めなくてOK)。
念のため、住民税にも注意しておきましょう。住民税の通知が自宅に届くとバレてしまう可能性があるからです。お給料103万円までは扶養内ですが、自分に住民税がかかる壁はもう少し低いです。この壁は、お住まいの市区町村によって異なるけれど、96万円~100万円前後が目安です。正確な額が知りたければ、市区町村に問い合わせしてみましょう」
ーー住民税の壁は意外と盲点かもしれません。この学生の場合はバレそうですか
「今の状況であれば、扶養から外れず、住民税もかからないので、親御さんにバレることは基本的にないでしょう。また、確定申告などの手続きも不要です。
ちなみに時給1200円であれば、1カ月4週として毎週16時間まで、扶養かつ住民税ゼロの範囲で働けます」
ーーなるほど。ではこの学生は安心してバイトができるというわけですね
「それが、完全にバレないとは言い切れません。それは、収入があるかどうかは、住んでいる市区町村で所得証明書を出してもらえばわかるからです。同居家族であれば、本人以外でも証明書が取れるところが多いです。親御さんが調べる気になれば、これでバイトの有無を確認することは可能でしょう。わざわざ娘の所得証明書をとることは考えにくいですが…」
【取材協力税理士】
安藤 由紀(あんどう・ゆき)税理士
大学卒業後、銀行勤務を経て2008年に税理士登録(簿記、財務諸表論、法人税法、所得税法、相続税法の5科目合格)。大学講師、セミナー、執筆など業務は幅広い。経理初心者向けのわかりやすい解説に定評あり。(ブログ : https://ameblo.jp/ando-tax/ Twitter : @andoyuki_)
事務所名:安藤由紀税理士事務所
事務所URL:http://www.ando.jdlibex.jp/index.html
(弁護士ドットコムニュース)