2018年11月17日 10:22 弁護士ドットコム
職場における休み明けの土産の強制について解説した弁護士ドットコムニュースの記事( https://www.bengo4.com/c_5/n_8413/ )に、たくさんの反響が寄せられました。
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しかし、職場のお菓子を巡っては別のトラブルも起きているようです。子育て情報サイト「ママスタ」の掲示板には、職場で自分だけお菓子を配ってもらえない女性が相談しています(「おかし外し」 http://mamastar.jp/bbs/comment.do?topicId=2856534 )。
女性は6月に転職して事務員になったそうですが、7月から「お菓子外し」をされるようになりました。「別にお菓子が欲しいわけじゃないんだけど、正直嫌がらせですよね」と嘆いています。
また「会社でいつも一人だけお菓子外しされている人がいたらどうする?」(http://mamastar.jp/bbs/comment.do?topicId=2856560)といったスレッドも。「お菓子あげたくないってより、嫌な気持ちにさせたいだけよね」「お菓子置き場作ってお土産はここに置いてくださいって言ったらいい」などとコメントが寄せられています。
こうした「お菓子外し」は職場いじめにあたるのでしょうか。林浩靖弁護士に聞きました。
「『職場いじめ』は、法的な概念ではありません。ここでは『お菓子外し』が、不法行為責任を生じさせるものかという観点から考えることにしましょう。つまり、不法行為責任を生じさせる場合を『職場いじめ』ということにします。
1回の『お菓子外し』をもって職場いじめということはできません。また、一定の範囲の人に多大な迷惑がかかったような場合に、その一定の範囲の人にだけ、お礼をするような特定の合理的な理由がある場合であれば、職場いじめと評価することはできないでしょう。
しかしながら、『村八分』のように、特定の人を常にのけ者にしているような場合は、職場いじめにあたる可能性は十分にあると思われます」
村八分さながらのお菓子外しが、法的に問題になる可能性はありますか
「使用者(会社)には、職場環境配慮義務があります。継続的なお菓子外しは、職場内で、その従業員を孤立させるものと考えられますので、職場いじめにあたる可能性は十分にあると思われます。
これは、お菓子外しを行った当事者だけでなく、使用者(会社)の責任も問題になりえます。会社(使用者)としても、継続的なお菓子外しが行われていることに気づいた場合には、お菓子置き場を作ってお土産はそこに置かせるなどのお菓子外しが行われないようにするための対策を講じた方が良いと思われます」
(弁護士ドットコムニュース)
【取材協力弁護士】
林 浩靖(はやし・ひろやす)弁護士
東京弁護士会所属。企業法務を中心に取り扱う事務所、金融商品被害を中心に取り扱う事務所を経て、事務所を開設。中小企業の企業法務、金融商品被害などを中心に業務を行い、原発被災者弁護団団員として、福島第一原発被災者の問題にも携わっている。
事務所名:林浩靖法律事務所
事務所URL:http://www.hayashihiroyasu-lawoffice.jp/