WRC世界ラリー選手権に3台のトヨタ・ヤリスWRCを投入しているTOYOTA GAZOO Racing WRTは11月16日、2018年シーズンの最終戦となる第13戦オーストラリアの競技初日に臨み、逆転チャンピオンを目指すオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合5番手につけた。
シリーズ最終戦のラリー・オーストラリア、競技初日はSS1~8の8SSで争われた。ドライバーズランキング3位につけるタナクはSS1で2番手タイムを刻む好発進をみせたが、出走順が早いこともあり、その後は徐々にポジションを落としてしまう。
そして総合4番手で臨んだSS5ではステージ途中の川渡りセクションを通過した衝撃で、マシンのフロント部分が破損。ダウンフォースを失った上、ラジエーターがむき出しになった状態での走行を強いられた。
ポジションを上げるには厳しい状況に追い込まれたタナクだったが、SS7ではステージ2位、SS8ではトップタイムを奪う快走で総合5番手で競技初日を終えた。
チームメイトのうち、ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)はSS2でステージ最速タイムを刻む走りで総合3番手を確保。2019年はシトロエンへ移籍するエサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)はタナクと同じSS5のウォータースプラッシュを通過した衝撃でミスファイアの症状が出てしまったが、総合6番手で走行を終えている。
「今朝はとても良いスタートとなった。3人のドライバー全員がクルマに良いフィーリングを感じ、その高い競争力を証明してくれた」と語るのはチーム代表のトミ・マキネン。
「残念ながらオットとエサペッカはSS5のウォータースプラッシュで問題に見舞われたが、恐らくそれは水に入る際にやや大きなドリフト角度がついていたことが原因だと思う」
「ヤリ-マティ(ラトバラ)はほぼ1日を通して非常に速く、マニュファクチャラーズタイトル獲得を目指す我々チームにとっては良い展開だ。明日はスタート順も良くなるので、パフォーマンスに自信を持って臨みたいと思う」
■総合5番手のタナク「不可能はない」と逆転戴冠に意欲
苦しい1日となったタナクは「午前中のステージは良好で、良いリズムで走れた。ただし、午後はいくつかミスをしてしまい満足できない結果となったよ」とコメントしている。
「午後の最初のステージではゲートに当たり、サスペンションに少しダメージを負った。その次のステージでは大きなウォータースプラッシュでフロントバンパーが壊れ、通常より空力性能が低下したことで運転がかなり難しくなったよ」
「しかし自分のベストを尽くしたし、まだタイトル争いは続いている。不可能はないと思う」
トヨタ陣営最高位につけるラトバラは「午前中はミスをしてしまい少しタイムをロスしたが、午後は安定した走行ができたので非常に満足している」とコメント。
ラッピは「1日を通してドライビングが楽しく感じられ、クルマの調子も良い」と競技2日目の挽回に意欲をみせている。
17日(土)の競技2日目はSS9~18の10SSで争われる。合計距離は133.00km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は444.37kmだ。