11月16日、WEC世界耐久選手権第5戦上海のフリープラクティスが中国、上海国際サーキットで行われ、ウエットコンディションで行われたFP1ではTOYOTA GAZOO Racingの8号車トヨタTS050ハイブリッド(中嶋一貴/セバスチャン・ブエミ/フェルナンド・アロンソ組)が総合トップタイムをマーク。同じく雨天のなかで実施されたFP2は、7号車トヨタTS050ハイブリッド(小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス/マイク・コンウェイ組)が全体首位に立っている。
アジアラウンド2戦目、上海の走行初日は事前の予報どおり霧雨がサーキット全域に落ちるなかで現地11時、90分間のFP1が開始された。午前中に実施されたタイヤテストセッションに続き、この日2度目の走行となったLMP1勢では、まず計測5周目にジェンソン・バトン駆るSMPレーシングの11号車BRエンジニアリングBR1・AERが2分00秒369というタイムでタイムシートの最上段に座った。
その後、約1時間にわたってこのタイムが更新されることなくセッションが進んでいくが、チェッカーまで10分を切ろうかというタイミングでトヨタTS050ハイブリッド勢が動く。
ブエミがドライブする8号車トヨタと、ロペスの7号車トヨタは相次いでペースアップするとバトンのタイムをブレイク。最終的にブエミが1分54秒768というタイムをマークしてFP1最速を記録。これにロペスが約1.4秒差で続き2番手に。3番手にはマテボス・イサーキャン駆るSMPレーシングの17号車BRエンジニアリングBR1・AERが入っている。
その他のクラスでは、母国凱旋レースとなるジャッキー・チェン・DCレーシングの37号車オレカ07・ギブソン(ジャズマン・ジャファー/ウェイロン・タン/ナビル・ジェフリ組)が2分02秒923でLMP2クラストップに。
LM-GTEプロクラスは2分09秒830をマークしたBMWチームMTEK、81号車BMW M8 GTE(マーティン・トムチェク/ニック・キャツバーグ組)がトップに立ち、GTEアマクラスではTFスポーツの90号車アストンマーチン・バンテージ(サリ・ヨルック/ジョナサン・アダム/チャールズ・イーストウッド組)が、81号車BMWを除くGTEプロ車両全車のタイムを上回る2分11秒764でクラス首位となっている。
■降雨が続くFP2もトヨタが首位。ロペスが一貴のタイムを上回る
午後のFP2も天候は回復せず雨模様。ウエットコンディションのなかで現地15時00分にセッションが開始されると、各車がレインライトを点滅させながらコースインしていく。
序盤は7号車トヨタのコンウェイが2分03秒129というタイムを出して全体トップに。その後、レベリオン・レーシングの3号車レベリオンR13・ギブソンがトップタイムをコンマ5秒更新すると、さらに10分後に8号車トヨタを駆る一貴がこれを破り、前半終了時点のリーダーとなった。
セッション後半はタイムシートの上段に動きがないまま約40分が経過。残り4分を切ったところで、ようやく7号車トヨタのロペスが2分02秒259を出してトップが入れ替わった。この結果、FP1に続き、FP2でもトヨタがワン・ツーを維持している。
LMP2クラスでも終盤に順位が逆転し、暫定1番手となっていたシグナテック・アルピーヌ・マットムートの36号車アルピーヌA470・ギブソンを抑えて、FP1でクラス最速タイムをマークした37号車オレカがふたたびトップに立った。
LM-GTEクラスはAFコルセの51号車フェラーリ488 GTEエボ(ジェームス・カラド/アレッサンドロ・ピエール・グィディ組)が、2分14秒315というタイムでクラストップに。82号車BMW M8 GTEがコンマ6秒差で2番手となり、3番手に入ったアストンマーチン・レーシングの97号車アストンマーチン・バンテージAMRまでが2分14秒台をマークしている。
GTEプロクラスと同様に、アマクラスでもフェラーリが速さを見せ、ジャンカルロ・フィジケラを擁すスピリット・オブ・レースの54号車フェラーリ488 GTE(フィジケラ/トーマス・フロー/フランシスコ・カステラッチ組)と、上海ラウンドが現体制での“ラストレース”となるクリアウォーター・レーシング、61号車フェラーリ488 GTE(澤圭太/ウェン-サン・モク/マット・グリフィン組)がプロクラス車の間に割って入るかたちでワン・ツーとなっている。
WEC第5戦上海は17日、9時50分(日本時間10時50分)からFP3が行われたあと、14時00分(日本時間15時)から公式予選が実施される予定だ。