北海道大学大学院医学研究院の西浦博教授らの研究グループは11月1日、「超高齢・人口減の日本における産業構造の不均衡予測」を発表した。
日本では、急速に少子高齢化が進んでいる。15~64歳の働き手に対する、0~14歳の年少者と65歳以上の高齢者の割合が増えれば、年金制度等への影響は避けられない。また、子どもの数が減れば、学校や教師が余る可能性もある。
対策は外国人労働者の受け入れ、退職者や主婦の活用
対策を立てるためには、どの分野でどの程度の人手不足が起きるのか、逆に働き手が余る産業はどこなのか、正確な予測をする必要がある。そこで西浦教授らのグループは、総務省統計局と国立社会保障・人口問題研究所のデータを使い、産業ごとの予測をした。
その結果、2025年には全体で330万人の労働人口が不足することがわかった。さらに、2035年には 520万人、2050年には930万人が不足する見込みだ。
分野別では、保健医療と介護の分野で労働力不足が際立っており、一方で、教育と建設では、人手が余ると推測される。
今後、医療や介護分野で働く人を増やすためには、外国人労働者の受け入れたり、退職者や主婦を活用したりすることが必要になってくる。一方で、AIを含めた情報・通信技術の活用によって、サービスへの需要そのものを減らしていく必要がある。