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働き方改革で思わぬ弊害「お金を使うこと増え支出が増加」「収入が減って困る」 「退勤後の時間を持て余す」という人も

2018年11月16日 17:21  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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エンジニア向け情報サイト「fabcross for エンジニア」は11月14日、20~59歳の公務員・会社員1万123人を対象に実施した、残業時間に関するアンケート調査の結果を発表した。

平均的な1か月の残業時間は、1~10時間が35.9%で最も多く、次いで0時間が21.3%、11~20時間が15.9%という結果になった。1か月の上限となる45時間を超えている人は10.3%で、昨年より0.6ポイント減少した。

残業が多い業種は教育・学習支援業 平均で月31.6時間

業種別に見ると、教育・学習支援業で最も残業が多く、平均で月31.6時間だった。2番目に多いのは運輸業・郵便業の26.1時間、3番目は学術研究・専門・技術サービス業の21.2時間だった。職種別でも、教育・保育関連職が34.6時間で最も多く、教育関係の仕事をしている人は残業が長いことがわかった。

年代別に見ると、50~54歳と55~59歳でいずれも19時間と最も長く、20~24歳が14.9時間と最も短かった。年齢が上がって管理職等になると、残業時間が長くなるのだろう。

昨年と比較して残業時間が大幅に減っているという人は11.4%、多少は減っているという人は18.3%で、合わせて29.7%が減っていると答えている。

業種別に見ると、漁業では50.7%、農業・林業では42.9%が、残業が減ったと答えている。一方、運輸業・郵便業では21.9%、教育・学習支援業では22.2%の人しか減ったと回答していない。

職種別では、Web・ゲーム関連職で40.4%、クリエイティブ職(広告・出版関連)で38.1%、企画・マーケティング職で38%が減ったと回答。いずれも残業が多いイメージが強い仕事だが、元々の残業が長いからこそ、短くなったという人が多いのかもしれない。

「休憩時間を少なくした」「出張する代わりにTV会議」

残業が減った人のうち61.9%が、「とても嬉しい」、「どちらかと言えば嬉しい」と答えている。しかし「どちらかと言えば嬉しくない」、「あまり嬉しくない」という人も13%いた。

残業が減った人に、勤務先で実施した取り組みについて聞くと、「退勤時間を決めた」が24.9%で最も多く、次いで「休日出勤を制限した」(19.7%)、「ワークライフバランスに基づく意識改革を行った」(16.9%)と続いた。

具体的にどのようなことを行ったのか聞くと、

「勤務中の休憩時間を少なくした」(56歳・女性)
「敢えて残業せずに、翌日に持ち越せる仕事は持ち越すようにしている」(38歳・男性)
「自分が率先して早く帰宅し、休日出勤を控えた」(53歳・男性)

といった回答が寄せられた。勤務中の休憩時間や休日出勤を減らし、業務時間内に集中して仕事をすることが大切なようだ。他にも、業務を見直したり、無駄をなくしたりすることで残業を減らしたという人が多かった。

「他部門と連携して二重業務をなくした」(58歳・女性)
「業務の分担の見直し、マニュアル作成」(32歳・女性)
「出張する代わりにTV会議で時間ロスを削減」(57歳・男性)

残業が減ったメリットを聞くと、「体を休めることができるようになった」(44.5%)、「趣味や娯楽を楽しむ時間ができた」(39.0%)、「家族や友人と過ごす時間が増えた」(35.2%)の順に多かった。

反対に、残業が減ったデメリットとしては「収入(残業代)が減って困っている」が44.4%、「業務に遅れが出ている」が17.6%、「退勤後にお金を使うので支出が増えた」が14.8%だった。「退勤後の時間を持て余している」というワーカホリックも8.9%いた。