WRC世界ラリー選手権第13戦オーストラリアは11月15日、SS1~8が行われ、マッズ・オストベルグ(シトロエンC3 WRC)が総合首位につけた。チャンピオンを争う3名のなかではオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合5番手でトップ。セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)が総合7番手、ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)が総合10番手で続いている。
2018年シーズン最終戦となるラリー・オーストラリア。前日の15日(木)にはシェイクダウンとセレモニアルスタートが行われ、16日(金)の現地8時3分からSS1がスタートした。
戦いの舞台となるオーストラリア東海岸のコフスハーバー近郊では、15日夜から雨が降ったものの、走行開始前には降り止みドライコンディションで競技はスタート。グラベル(未舗装路)で争われることから出走順の早いオジエやヌービルなどはすべりやすい路面で“清掃役”を強いられた。
オープニングのSS1~2はトヨタ陣営が上位を占める結果となったものの、続くSS3でオストベルグが5.4秒のリードでトップにおどり出た。
「去年のラリー・オーストラリアに参加したライバルと違い、僕がこのステージを走ったのは今年が初めてだったけど、マシンの感触も良かった」というオストベルグは、午後の走行でもペースを維持。最終的に6.8秒のマージンを築いて、初日をトップで終えた。
総合2番手にはSS6終了時点でヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)がつけていたものの、海岸沿いの特設ステージで行われたSS7~8でタイムを伸ばせず総合3番手に後退。代わってクレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC)が総合2番手に浮上し、シトロエンがトップ2を占める結果となった。
一方、チャンピオンを争うドライバーたちは苦戦を強いられた。ランキングトップのオジエは“掃除役”の不利益を被り、一時総合10番手まで後退。その後は総合7番手までポジションを戻している。
ランキング2位のヌービルは午後の走行でマシンの左リヤのボディパネルを失った状態で走行を続けて総合10番手となったほか、ランキング3位のタナクもリヤやフロント周りにダメージを負って、ラジエーターがむき出しの状態での走行を強いられ、総合5番手だった。
なお、午前中に行われたSS3では、競技車両が走行中にトラクターがコース上に入り込むハプニングが発生。大きな事故には発展しなかったものの、このトラクターとニアミスしたアンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)が、その後にクラッシュし、デイリタイアしている。
競技2日目となる17日(土)はSS9~18までの10SSが行われる。