2018年11月16日 15:52 弁護士ドットコム
ふるさと納税の返礼品について、総務省は11月16日、見直し要請に応じていない自治体が11月1日時点で全国に計91あると発表した。行き過ぎた返礼品が一部であるとして、総務省は法規制する姿勢も示しつつ、見直しを強く求めていた。
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発表資料によると、「返礼品の調達額を寄付額の3割以下にすること」を守らない自治体は9月1日時点で246あったのが、25に減った。また、「返礼品を地場産品とすること」を守らない自治体は190あったのが、73に減った。地場産品については特に定義があいまいとの不満が自治体側から続出しており、見直しに動く自治体が伸び悩んだとみられる。
2つとも守らなかった自治体は、宮城県多賀城市や新潟県三条市、大阪府泉佐野市、和歌山県高野町、福岡県福智町、福岡県上毛町、沖縄県多良間村で計7あった。
総務省が7月、通知に従わない自治体リストの公表を初めてした際には、ネット上で「総務省がお得な自治体リストを公表してくれた」と盛り上がるふるさと納税ファンも出た。今回、2つとも守らないと指摘された7自治体に対しても「お得な自治体」として、話題になる可能性がある。
現状では、総務省が求める見直しに応じるかどうかは自治体に任されている。総務省による通知は地方自治法に基づく「技術的な助言」であり、従う義務はない。
総務省による発表を、自治体側はどう受け止めているか。2017年度の寄付額実績で全国トップの135億円を集めた大阪府泉佐野市は取材に対し、「あくまでも現状調査の結果と認識しており、特にコメントはありません」とした。
そのうえで「返礼品に関するルールや基準は総務省が独断で決めるものではなく、自治体・有識者、世論などを含めて幅広い議論を行い、大多数が納得できるものをつくるべきだと考えています。拙速を避け、ふるさと納税に関する議論の場を設けていただくよう望みます」などと求めた。
泉佐野市では総務省とふるさと納税をめぐる考え方の違いが大きいとして、今回の調査に「白紙回答」とし、考え方をまとめた回答書を独自に提出しているという。
(弁護士ドットコムニュース)