2018年シーズン限りでMotoGP現役生活に幕を下ろすダニ・ペドロサが11月15日、週末に行われるシーズン最終戦の第19戦バレンシアGP開幕に先駆けて、MotoGP殿堂入りの授賞式が行われた。
MotoGPの125ccクラスで2003年に、250ccクラスで2004~5年にワールドチャンピオンを獲得しているペドロサ。最高峰であるMotoGPクラスには2006年から参戦しているが、この2018年シーズン限りで第一線から退くことを表明している。
そんなペドロサにとって最後のMotoGPとなる第19戦バレンシアGPに先駆けて、同地で授賞式が行われ、ペドロサが史上29人目となるMotoGPレジェンド入りを果たした。
FIM(国際モーターサイクリズム連盟)のヴィト・イポリト会長は「ダニ(ペドロサ)をホール・オブ・フェイムに迎えることができてうれしく思う。君はレーシングキャリアのなかで素晴らしい成功を収めてきた」とペドロサの殿堂入りを祝福した。
「個人的に、特に若いライダーにとって、ダニの戦い方や勝ち方は手本にするべきものだと思っている。数々の勝利を収めているが、いつもクリーンなレースを心がけていたからだ」
「FIMとしても、彼の意見やライダーへのペナルティなどについて、アイデアを共有してきた。とても信頼を置いていたライダーのひとりだった」
ドルナスポーツの最高経営責任者のカルメロ・エスペレータは「個人的には複雑な心境だ」とコメントしている。
「ダニが引退を口にしたときから、殿堂入りについて話をしてきたし、彼がレジェンドの仲間入りを果たしたことはうれしく思う。MotoGPを語る上で欠かせないレジェンドであり、大きな財産でもある」
「ただ一方で、これまでの記憶が思い出されるんだ。ダニはかなり昔からともに働いてきた仲間のひとりであり、そんな人物が引退するんだからね」
「私が初めてダニを見たのはアクティバ・モビスター・カップへの選抜が行われているときだった。まだバイクにまたがるのに補助が必要なほどだったが、当時から才能を発揮していたし、可能性を感じたよ」
「ただ、ダニはまだカップに参戦するには数カ月ほど年齢が足りていない状況だったから、彼のような若いライダーへの門戸を広げるべく参戦可能な年齢上限と下限を調整した。その時から彼との関係は続いてきた」
■「殿堂入りは少し不思議な気分」とペドロサ。もっとも印象に残るのは125cc王座獲得
FIM会長やドルナスポーツCEOの言葉を聞いたペドロサは「ふたりから素晴らしい祝辞をもらったことに心から感謝している」と笑みをこぼした。
「子どものころ、自分が殿堂入りを果たすなんて予想もしていなかったから、感情が高ぶっているし、少し不思議な気分でもある。でも、パドックの仲間や世界中のファンが応援してくれたおかげだし、本当に幸せだよ」
「自分のレースキャリアのなかで、もっとも印象に残っているのは初めてワールドチャンピオンになったときだ。自分が幼いころから夢見てきたことが現実になった瞬間だったからね」
「(MotoGPに参戦を開始したときから)表彰台に上がったり、勝つことはできると思っていたけど、チャンピオンになれるとは思っていなかった。子供のころに見ていたチャンピオンたちはみんな信じられないくらい速いライダーだったから」
「だから、初めてチャンピオンになった日のことは一生忘れないと思う。そして、この思い出があったからこそ、もっと先に進みたいと思ったし、厳しい時間も乗り越えることができたんだ」
「そしてファンをはじめとする周りの人々の反応や愛情も、想像を越えたもので、心から美しいものだと思っているよ」