2018年11月16日 07:02 リアルサウンド
今年でシリーズ20周年を迎えたドラゴンクエストモンスターズシリーズ。シリーズ20周年を記念して11/7より『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランドSP』がスマホ専用アプリとして発売された。
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この記事ではどこまでもやりこめる『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランドSP』の魅力、そして移植にあたって残念だった点を紹介する。
■配合で最強モンスターを目指せ
『ポケットモンスター』シリーズのモンスターを捕まえて仲間にするシステムに、モンスターどうしを掛け合わせて別のモンスターを生み出す“配合”システムをプラスしたのが、98年発売の『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』だった。
序盤はお馴染みのスライムからはじまって、最終的にはゾーマやりゅうおうまでが仲間になるというのはドラクエファンにはたまらない。もちろん魔王クラスのモンスターを配合するには、それなりの労力が必要だが、幸い今回のスマホ版ではUIが一新されてサクサクと遊ぶことができる。
■スマホ操作に最適化されたUI
本作では画面の下半分がスライドパッドになっており、移動はこのスライドパッドを用いる。戦闘は設定で完全オートにできるため、片手での操作でも楽々とゲームを進められる。
GB版では旅の扉がある場所と配合ができる星降るほこらがやたらと離れていて、不便だったのだが、それもルーラでひとっ飛びできるようになった。ルーラはダンジョンからの途中退場にも使えるので、今回一番お世話になる特技かもしれない。
3DS版の時点ですでに十分遊びやすいリメイクがされていたが、スマホに最適化されたことでより手軽に、よりサクサクとDQMの世界に浸れるようになっている。ちなみに筆者の場合、クリアまでのプレイ時間は7時間程度だった。
■やりこみ要素も抜群
DQMシリーズはクリア後も終わらないやりこみ要素の豊富さが特徴だ。本作ではスライムのような弱いモンスターでも、育て方次第では最強クラスまで強化できる。お気に入りのモンスターはどこまでも強くしていこう。
これは3DS版にもあった要素だが、本作では『DQ8』のようなスキルシステムが採用されている。レベルが上がるごとに増えるポイントを任意のスキルに割りふると、新しい特技やステータス強化が得られる。またスキルは配合によって伝授できるほか、組み合わせによってはスキルそのものをランクアップできるので、攻撃役・回復役・サポート役など役割ごとに最適なスキル構成を考えたい。
また、本作には通信対戦機能も実装されている。レーティングや大会のような本格的な対戦コンテンツではないものの、1日数人の他国マスターがランダムに表示され彼らと戦うことができる。勝つと相手のモンスターの中からランダムで1体が仲間になるので、強くなればなるほどレアモンスターも手に入れやすくなる。負けてもモンスターは減らないので安心して挑戦しよう。
■残念な点も……
スマホに最適化され遊びやすくなった本作だが、遊んでいて残念な点もいくつかある。その中でも特に気になるのが、“自分のモンスターがあまり見られない”ことと“スタート画面での誤タッチ”だ。
■自分のモンスターをもっとじっくり見たい!
鳥山明デザインのカワイさとカッコよさを併せもったモンスターはDQMの見どころのひとつだが、本作では仲間モンスターの姿をじっくり見る機会が少ない。
戦闘がはじまるとまず映されるのは、相手のモンスターで、自分のモンスターが画面に出るのは攻撃時と被攻撃時ぐらい。非戦闘時ならステータス画面からモンスターが見られると思いきや、特にそのような機能もない。
これには「『ポケモン』は戦闘中ずっと自分のモンスターが見られるのになあ……」とボヤきたくなってしまう。
■“はじめから”ボタンの誤タッチが怖すぎる
GBソフトはセーブデータがよく消えた。私事だが筆者は小学生時代にGB版『テリーのワンダーランド』のセーブデータが、最強モンスターダークドレアムにたどりつく数歩前で消えてしまいショックを受けた経験がある。
スマホに移植された本作なら、データが消える心配はない……はずだったのだが、本作のスタート画面を見てほしい。
“つづきから”と“はじめから”の間にほとんどスペースがない。そのため“つづきから”を親指で押そうとすると、何回かに1回は間違えて“はじめから”をタッチしてしまう。もちろん“はじめから”をタッチしても、警告メッセージが出るようにはなっているが、はたして通勤電車で無心にアプリを開くときに警告メッセージに気づくだろうか。そのうち間違えてデータを消してしまいそうで、本当に怖い。心配な方はスタート画面からデータ同期を行っておくべきだ。
もしや、すぐデータが消えるGB版へのオマージュなのだろうか……。
■通勤・通学のお供にぴったりなスマホRPG
ビジュアルの地味さなど、いくつかの難点はあるものの、全体として『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランドSP』は遊びやすく、原作のいい部分をスポイルせずに移植した良作だ。
スキマ時間にモンスターたちと旅に出てみるのはいかがだろうか。
(脳間 寺院)