オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC) 2018年シーズンのドライバーズタイトル、マニュファクチャラーズタイトル獲得に向けてWRC世界ラリー選手権のシーズン最終戦となる第13戦オーストラリアに臨むTOYOTA GAZOO Racing WRTは、本戦開幕に向けたシェイクダウンでマシンのセットアップを確認。チャンピオン争いを演じるオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)は「リスクを背負ってでも、重要な仕事を成し遂げたい」と語った。
2017年シーズンにWRCへ復帰したトヨタは今季、第12戦終了時点のドライバーズランキングでオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が首位と23ポイント差の3位、マニュファクチャラーズランキングでは12ポイントのリードを持ってトップにつけている。
復帰2年目での二冠達成に向けた最後の戦いとなるのは、シリーズ唯一のアジア・太平洋圏ラウンドのラリー・オーストラリアだ。
WRCではレギュレーションによってヨーロッパ圏外での事前テストが禁止されているため、15日の現地8時にスタートしたシェイクダウンで、各チームは今年初めてオーストラリアを走行。セットアップを含めたマシンの最終確認を進めた。
全長5.07kmのシェイクダウンで、タナクはステージ2番手タイのタイムを記録したほか、ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が7番手、オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が8番手につけ、大きなトラブルなく全車が完走している。
「他のラリーと同じように、シェイクダウンではシステムチェックを実施した。このラリーのように欧州から遠く離れたイベントでは、輸送のためにクルマを分解する必要があるから、システムチェックは特に重要な作業となる」と語るのは、チーフエンジニアのトム・フォウラーだ。
「シェイクダウンで我々のドライバーは良いタイムを刻んだが、ライバルとの大きな差はつかなかった」
「ここ数戦、グラベル(未舗装路)でのパフォーマンスはかなり上がっており、そこで得られたデータを基にこのラリーに最適と思われるセットアップを施した。そして、シェイクダウンではそれがうまく機能していることが確認できたよ」
「現時点での懸案事項は天候の変化で、ラリー期間中に不安定な天気の影響を受けるおそれがあり、それが我々の戦略およびタイヤ選択にどう影響するのか熟考する必要がある」
逆転でのチャンピオン獲得を狙うタナクは「良い内容のシェイクダウンだった」と走行をふり返った。
「(シェイクダウンステージの)一部が他のステージと重なるなど、このラリーを代表するコースで行なわれたから、クルマに対する理解をさらに深め、いくつかセッティングを決めることができた」
「状況は変わりやすく予想は難しいが、リスクを背負ってでも、自分たちの重要な仕事を成し遂げたいと思う」
ここ数戦、好調を維持しているラトバラは「このラリーはデイごとにステージのキャラクターが異なるが、ステージは素晴らしく、大好きなイベントのひとつだ。ただし、今年は多くのステージが逆向きの走行となるから、いつもと違う感じがするし、雨が降ればさらに難しくなって、例年よりも厳しい戦いになると思う」とコメント。
このラリー・オーストラリア限りでトヨタを離れるラッピは「クルマは万事順調。今週末は天候の変化が大きな鍵を握るだろう」と天候変化を警戒する言葉を残している。
競技初日となる16日は、SS1~8までの8SSで争われる。ステージの大部分は森林地帯を抜ける構成となるほか、SS7~8はサービスパークが設けられるコフスハーバーのウォーターフロントに設置されたステージを舞台にスーパーSSとして行われる。
全8SS合計の走行距離は101.68km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は350.31kmだ。