今年も11月15~18日に、マカオ市街地のギア・サーキットを舞台に行われる第65回マカオグランプリ。伝統のレースに向け、11月14日には各レースに参戦するドライバーたちがサーキット入りし、準備を整えた。
高速の海側、タイトな山側と異なる性格を持ちながら、ガードレールで囲まれるマカオ市街地を舞台に争われるマカオグランプリ。今年で65回目を迎える伝統のレースだが、今年も開幕を11月15日に控え、その準備も大詰めを迎えた。
今季はメインレースとなるFIA F3ワールドカップを中心に、多くのメーカーがワークスマシンとドライバーを送り込むFIA GTワールドカップ、鈴鹿からマシンが移動してきたWTCR世界ツーリングカーカップ最終ラウンド、そして二輪のマカオ・モーターサイクルグランプリ、アジア各国のマシンが集まるマカオ・ツーリングカーカップと多種多彩なレースが開催される。
多くのドライバーたちは11月12~13日にサーキット入りし、コースウォークなどを行いつつ、14日はヘルメットやスーツといった装備品チェックや、大会公式映像で使用される写真撮影などに臨んだ。ユニークなのは、14時から行われた地元イベントのマーシャルアーツのデモンストレーション。各シリーズから有力ドライバーたちが選ばれ、ふだん馴染みの薄い中国武術の型にチャレンジした。日本からは、F3の坪井翔(トムス)、GTの松田次生(KCMG)が参加している。
その後は、F3、GT、WTCR、モーターサイクルGPに参戦する全ドライバー、ライダーたちが表彰台の下に集い写真撮影に臨むことに。中央最前列には、昨年のFIA F3ワールドカップウイナーのダニエル・ティクトゥム(モトパーク・アカデミー)、ヨーロピアンF3チャンピオンのミック・シューマッハー、そして全日本F3選手権王者の坪井が並び、この3人の注目の高さを伺わせた。
そんな坪井は、「全日本F3のチャンピオンとして臨む大会ですから、ここで自分が格好悪い走りをしてしまうと日本のレベルが疑われてしまいますよね。過去の2回は徐々にペースを上げていくような形で進めていきましたが、今年で3回目ですし、今週末は結果にこだわって最初からガツガツいきたい」と意気込みを語っている。
また、昨年もマカオに挑み、今季も参戦する関口雄飛(B-MAX Racing Team)は「今シーズンはチームも昨年以上のバックアップをしてくれていますし、クルマもいいと思っています。すごく楽しみですね。目標は最低限トップ3に入ることです」と語っている。
今回は日本チーム、日本人ドライバーも多く、全日本F3からは坪井のほか4チーム8台が参戦。またヨーロピアンF3からは佐藤万璃音(モトパーク・アカデミー)、そしてイギリスのカーリンからは片山義章が参戦する。片山や阪口晴南、大湯都史樹といったTODA RACING勢、笹原右京(THREEBOND)は初マカオで、まずは慎重にコース習熟からスタートすることになりそうだ。
日本人ドライバーとしてただひとりニッサンGT-RニスモGT3で参戦する松田次生も、「19年ぶりであまり覚えていないので、まずは様子見です。クラッシュして走れる時間が少なくなるよりはいいですからね」と19年ぶりとなるマカオながら、リラックスした様子でレースウイークを迎えている。なお、今回次生のGT-Rは、1990年にギア・レースを制した長谷見昌弘のR32スカイラインGT-Rをオマージュしたカラーリングをまとっている。
走行初日となる15日は、F3のフリープラクティス1と予選1回目、GTのフリープラクティス1、WTCRのフリープラクティス1/2などが行われる。