トップへ

神戸市が職員の採用に「デザイン・クリエイティブ枠」を新設 芸術の素養がある人材確保へ、政令市では初

2018年11月14日 18:51  キャリコネニュース

キャリコネニュース

写真

神戸市は11月8日、2019年度から新たに「デザイン・クリエイティブ枠」の採用試験を実施すると発表した。美術や音楽、映像などの芸術分野を学んだ人材を確保するためだ。政令市では初めての取り組みとなる。

久元喜造市長は、同日の定例会見で、

「目的は人材の多様化です。これまで自治体の採用試験は、法律や経済、経営と技術系の専門性を問うもので構成されてきました。しかし今後は、グローバルな見地から、個性のある政策を展開していかなければならない。従来のタイプの人材を大切にしながらも、デザイン・音楽・映像など芸術の素養のある人たちに神戸市に入ってもらいたい」

と狙いを語った。

「芸術を学んできた人は発想自体が違う」

デザイン・クリエイティブ枠で採用されても、デザインに関する仕事を専門に行うわけではない。業務内容はあくまでも、政策・企画・経済政策・広報・芸術文化・観光振興など、行政事務全般だ。同市の担当者は、「芸術を学んできた方は発想自体が違うと思いますので、課題解決に向けて、能力を生かしてほしい」と話す。

受験資格は、大卒で27歳以下、大学院修了者で29歳以下、高専・短大卒の場合は25歳以下となっている。美術大学などの出身者でなくても応募することは可能だ。

1次試験の内容は、適正検査と論文とアピールシート。アピールシートで芸術分野の専門性をアピールしてほしいという。最終試験のプレゼンテーションでも、芸術分野での取り組みが問われることになる。

大卒一般枠とは異なり、法律や経済の試験は課されない。芸術系の勉強をしてきた学生にも、市の職員になる道が開かれた形だ。

大卒一般枠も試験内容を変更 19科目から自由に組み合わせることが可能に

2019年度から大卒一般枠の試験内容も若干変更される。従来は、法律・経済・経営・国際関係の4分野から選択し、それぞれの分野の中の4~6科目を必ず回答しなければならなかった。例えば、法律を選んだ場合は、憲法・行政法・民法・政治学・行政学・労働法の全てに回答する必要があった。

しかし来年からは、憲法・行政法・経済原論、マーケティング論、英語など19科目から選べるようになった。それぞれの科目は5題もしくは10題で、合わせて25題回答するように個人が自由に科目を選択することができる。科目には、教育学と数学・物理も新設された。専門分野をくまなく勉強していなくても、自身の関心や大学での履修に合わせて選択できるようになる。