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総勢23台! 日本初開催のマスターズ・ヒストリック・フォーミュラ1は見逃せない/SUZUKA Sound of ENGINE

2018年11月12日 15:51  AUTOSPORT web

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日本で初開催される『マスターズ・ヒストリック・フォーミュラ1・イン・ジャパン』
いよいよ11月17~18日に鈴鹿サーキットで開催される『RICHARD MILLE SUZUKA Sound of ENGINE 2018』。長きに渡るモータースポーツの歴史を築いてきた名車が世界中から集結するファン垂涎のイベントだが、オートスポーツwebが注目する“見どころ”をご紹介しよう。第1回目は、ついに日本で初開催される『マスターズ・ヒストリック・フォーミュラ1・イン・ジャパン』だ。

『マスターズ・ヒストリック・フォーミュラ1』は、その名のとおり過去にF1グランプリを戦ったマシンたちによるレース。ただ選手権とされているため、技術規定も厳密に定められているほか、現役当時のカラーリングを守ること、最新の燃料タンク装備など、安全に配慮した規定が定められている。

 これらのマシンは、現在のオーナーたちが入手したもので、多くが自らステアリングを握り参戦するジェントルマンドライバーたち。当然、当時の速さを100パーセント発揮できるわけではないが、例えば日本人としてこのシリーズに参戦する久保田克昭のように、全日本F3選手権に参戦して速さを鍛えたりと、オーナーたちがそれぞれ努力して当時のスピードを再現しているのだ。

 そしてこのレースは、シリーズとしてヨーロッパやアメリカで開催されているが、今年は日本で初めて『マスターズ・ヒストリック・フォーミュラ1』のレースとして、日本でのF1の歴史を育んできた鈴鹿で開催されることになったのだ。参戦台数も23台と非常に多く、多種多様な1970年代~80年代のF1マシンを楽しむことができる。

 当然マシンは製造年によって速さも異なるため、4つのクラスに分けられているが、特にご注目いただきたいのは、1973年以降に製造されたグランドエフェクトカーによる『パトリック・ヘッドクラス』。ロータス78の登場以降、80年代初頭までを席巻したウイングカーたちだ。前後ウイングよりも、車体下面でダウンフォースを得るスタイルは、現代F1とはまったく異なる。

 当然ながらロータス78や79/2、ウイリアムズFW07BやFW07Cといった、当時の優勝を争ったマシンたちもぜひその目に焼き付けたいところだが、筆者が個人的に楽しみにしているのは、ウォーレン・ブリッグスが所有するマクラーレンM29Cだ。

 多くのF1ファンならご存知とは思うが、現在F1で戦うマクラーレンは、1980年にロン・デニス率いる『プロジェクト4』というチームがマールボロのバックアップを得て、ブルース・マクラーレンが創設し、その後テディ・メイヤーが率いたチーム・マクラーレンと合併し今に至っている。その旧マクラーレンの終期、大不振の時代のマシンがM29なのだ。

 1976年のジェームス・ハントのチャンピオン獲得後、ウイングカーの台頭とともにその強さを失っていったマクラーレンは、1978年のM28で大苦戦し、その反省をもとに生まれたのがM29。あのアラン・プロストのF1デビューをともに戦ったマシンでもある。81年に登場し、カーボンモノコックをF1で初めて投入したMP4/1にその役を譲るまで、1981年まで戦い最高位は4位。一度も表彰台は獲得できなかったが、マクラーレンの歴史における重要なマシンの一台でもある。

 当然ながら不振のときのマシンであるため、決して人気が高いF1カーではない。しかし、こういった現代F1に繋がる歴史を彩ったマシンが登場するのも、『マスターズ・ヒストリック・フォーミュラ1』の魅力のひとつだろう。

 ちなみに、『マスターズ・ヒストリック・フォーミュラ1』を楽しむのは11月17日(土)がよりオススメ。こちらは予選も楽しむことができるからだ。

 タイムスケジュール等、詳細はホームページ(https://www.suzukacircuit.jp/soundofengine/)まで。