11月11日の「ボクらの時代」(フジテレビ)に武井壮さんが出演し、「いまのアスリートたちに一番言いたいこと」として熱く語る場面があった。
武井さんは、アスリートがトレーニングにばかり没頭し、知識を広げる努力や戦略が足りないことを指摘。
「お前らそのまま行ったら、そんなにいい人間性持ってるのにちょっと勉強してちょっとお金のこと知ってるやつに全部やられちゃうんだから」
と、切実に訴えかけていた。(文:okei)
他の選択肢が本来あるべきなのに「得ようとしないし知識が足りない」
対談の出演者は、ほかに青山学院大学・陸上部コーチの原晋監督と、元陸上選手で俳優の和田正人さんだ。今年世間を騒がせたスポーツ界のパワハラ問題などについて、原監督は「生きる道がそこしかなく、違うチャンネルで生きられない」から、リーダーが間違っても追従するような悪習が長く続いてしまった、などとしている。
これに武井さんは、
「アスリートやってる時って他の事を全然知らないから。特にアスリート勉強しねえし」
と笑いを誘い、「スポーツをしていれば、何か良いことをやっている空気に自分がいるような気がするんですよ」と、アスリートの視野の狭さを指摘した。
原監督も、アスリートには他の分野でも活躍できるという選択肢が本来はあるべきなのに、「その選択肢を得ようとしてないし、努力もしていない」と話す。武井さんは「ホントにそれが、今のアスリートたち全員ですよ」と同意している。
「全員に足りないことだと思うし、ただトレーニングだけをしてる毎日に没頭している。いまの日本のスポーツ界で一番良くないところだと思う」
「(不祥事を)協会や大人のせいにしてたら変わらない。だったら下の我々現場の人間がそれをどんどん1コずつ作ってかないと」
と、熱を込めて主張した。自らが視野を広く持ち、事態を変えていく必要があるのだ。
「セカンドキャリアなんてねぇんだよ。ずっとファーストキャリアだよ」
アスリートには引退後のセカンドキャリアの問題もあるが、武井さんは、「セカンドキャリアなんてねぇんだよ。ずっとファーストキャリアだよ」と語る。それまでやってきた陸上を生かして生きていくというわけだ。
確かに武井さん自身のタレントとしての売りも「アスリート」だし、和田正人さんもドラマ「陸王」に選手役として出演するなど、過去の経験をその後に生かして仕事をしている。全く違う業種に生きたとしても、アスリートとして培った精神力や体力は、大きな財産になるだろう。
武井さんは、「俺マジで好きなんだよ(中略)お金にもならないスポーツを、毎日5時間も6時間もトレーニングして、苦しいことにめちゃめちゃ耐えられる精神性を持ってて、ほんといい子たちばっかりなのよ」とアスリート愛を語っており、だからこそ厳しく言いたいのだという。
「お前らそのまま行ったら、そんなにいい人間性持ってるのに、マジでちょっと勉強してちょっとお金のこと知ってるやつに全部やられちゃうんだから」
「でもお前ら努力する天才なんだから、コツコツ楽しくもねえ苦しいことを毎日何時間もやる天才なんだから、おまえらがそこ行ったら圧勝だから」
と熱弁をふるう。アスリートこそ、自ら知識を得て生きていく戦略を練れば最強なのだ。「それを俺伝えたくてしょうがないですよ」と世のアスリートたちに再び訴えた。
最後に武井さんの収入の話になると「お金の話をしたいんじゃなくて、それくらいできるんだってことをさ(言いたい)」としつつ、「それは隠さないって決めてる。最高月収4~5千万じゃないですか」と夢を与える発言で場を盛り上げていた。