トップへ

卑怯なヤンキーで登場! 中村倫也、『今日から俺は!!』でもカメレオン俳優っぷりを発揮

2018年11月12日 06:12  リアルサウンド

リアルサウンド

写真

 ついに千葉から飛び出して“竹の子族”ブーム真っ盛りの東京ヤンキーが登場した、11月11日放送の『今日から俺は!!』(日本テレビ系)第5話。激しい喧嘩シーンの応酬は第3話での開久高校とのやり合いと通じるものがあるが、今回は千葉のヤンキーの誇りをかけた戦いと、レジャー感覚で喧嘩を楽しむ東京ヤンキーとの徹底抗戦ときた。もっぱら硬派な展開というわけではなく、三橋(賀来賢人)vs東京ヤンキーの“卑怯vs卑怯”のぶつかり合いというところが、たまらなくユニークなエピソードだった。


 原宿に買い物に出かけた佐川(柾木玲弥)が東京のヤンキーにボコボコにされて病院送りになってしまう。意識を失う直前に言い放った「三橋さんと伊藤さんに殺されるぞ……」という言葉に、東京のヤンキーグループ4人は千葉への遠征を決行。三橋と伊藤(伊藤健太郎)を探し始めた彼らは、開久のヤンキーに手を出し智司(鈴木伸之)らから追われるようになり、今井(太賀)を打ちのめすなど大暴れを繰り広げるのだ。


 「喧嘩はレジャーだよ」と言い放つ最強の東京ヤンキーの紅野(中村倫也)が率いるチームの強みは、その見事なフォーメーションによる喧嘩のうまさにある。頭に血がのぼって相手を打ちのめすタイプの喧嘩とは異なり、実にスマートで合理的な策で三橋さえも攻略する。いきなりビール瓶を投げつけたり、バケツを被せて叩いたり、果たし状を送りつけて行かなかったりと、器用に相手の神経を逆なでさせて楽しむそのスタイルは、三橋と同じタイプの“卑怯”な連中と言ってもいい。


 そうなれば“卑怯”を極める三橋が黙っているわけがない。人が多い東京に逃げた紅野を探すために新聞広告を出し、挙句、紅野が学校では良い格好をしていることに目をつけると、化けの皮を剥がして社会的に打ちのめすという斬新な復讐手段でお返しをするのだ。それでも、喧嘩の借りはしっかりと喧嘩で返すと言わんばかりに、きちんと真正面から打ちのめすところに、三橋というキャラクターの人間臭さがしっかりと表れている。これは、相手の“卑怯”さを見抜いた三橋が、逃しさえしなければ簡単に倒せる相手だと踏んだからに他ならないだろう。


 ところで、理子役の清野菜名に谷川役の矢本悠馬といった、今年9月まで放送されていたNHKの朝の連続テレビ小説『半分、青い。』出演者がレギュラー出演している本作に、同作の“マアくん”役で大ブレイクを果たしたといってもいい中村倫也が、まったく違う雰囲気を放ってゲスト出演を果たしたというのは実に面白い。


 しかも前日に放送された『ドロ刑 -警視庁捜査三課-』(日本テレビ系)にも出演している中村だが、執念を燃やす脚フェチ刑事役とも180度異なる暴れ馬というギャップ。同じ福田作品の『アオイホノオ』(テレビ東京系)だったり、今年公開された白石和彌監督の『孤狼の血』だったりと、すべて違う表情を見せる中村からは、際立ったカメレオン俳優としての才を感じずにはいられない。(久保田和馬)