2018年11月11日 10:12 弁護士ドットコム
志村けんさんの生き様がネットの掲示板で話題になっている。発端は今年2月に「AERA dot.」に掲載された記事「大御所も後輩芸人も…志村けんがみんなに愛される理由」だ。志村さんの彼女に対する大盤振る舞いぶりに注目が集まった。
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記事中の芸能リポーターによれば、志村さんは交際している彼女にクレジットカードを渡して好き放題使わせ、いざ別れることになっても数千万円のお金を渡すため、悪口が出ないという。あまりの豪快さにネットでは「どんだけ金持ってんねん」などの声が上がっていた。
「よく知らんけど税金取られないの?」というコメントもあった。他人にクレジットカードを渡して自由に使わせるような行為は、贈与などには当たらないのだろうか。別れ際の大金にも贈与税はかからないのだろうか。佐藤全弘税理士に聞いた。
クレジットカードを渡して自由に使わせた場合、贈与になるのか。
「贈与とは、当事者が財産を無償で相手に与える意思表示をし、相手がこれを受諾することによって成立する契約のことです。
今回の場合、まず、他人名義のクレジットカードを使用することの問題は別として、双方同意のもと、クレジットカードを通して相手方が自由に使用することで財産を得ることがあれば、実質的には贈与となるものもあるのではないでしょうか。
贈与になるかどうかは、実際のところ、クレジットカードの使用履歴やキャッシング等によって判断されると思います」
贈与税の仕組みはどうなっているのか。
「贈与税とは、個人からお金などの財産をもらったときにかかる税金です。贈与税がかかるのは1月1日から12月31日までの1年間にもらった金額の合計が110万円を超えた場合です。この110万円は、一人の人からだけではなく、複数の人からの合計となります。
ですから、110万円の範囲であれば贈与税はかからないこととなり、それ以上であれば、他の者からの財産贈与も含めて贈与税を計算することとなります」
夫婦や家族で使用した場合はどうなのか。
「夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者からの生活費や、教育費として必要な都度直接これらに充てるためのものは、非課税となります。
なお、生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、預金や株式や不動産の購入資金としているような場合は、贈与税がかかります」
今回のように、別れる時の手切れ金に贈与税はかかるのか。
「彼女と別れる際に多額の金銭を渡すことについて、実際の支払内容が不明のため何とも言えませんが、贈与税が課税されてもおかしくありません。もし、1,000万円の贈与があった場合の贈与税は※231万円です」
※(1,000万円-110万円)×40%-125万円=231万円
【取材協力税理士】
佐藤 全弘(さとう・まさひろ)税理士
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事務所名 : 佐藤全弘税理士事務所
事務所URL:http://satouzeirishi.com/
(弁護士ドットコムニュース)