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一人暮らしの食費1か月3万円って高い?「2万で済む」「健康に生きたいなら最低ライン」論争は続く

2018年11月11日 10:11  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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食費の話をしたい。僕の場合、毎月の食費は正確に数えてこそいないが、2万や3万で足りてはいないと思っている。

しっかり自炊をしていようといまいと、たとえば出来合いの惣菜を買うような日々と比べても、最近はそこまで食費に差は生まれない。これは実際に僕が食費について「自炊がどこまで安いんだ」と思って調べてみて、あくまで僕の生活の範疇では「どっちもどっちじゃん」と感じ入った結果だ。他所がどうかは知らない。

大体自炊しても、節約の覚悟がなければ食費なんて毎月そこそこかかってしまうものだ。食べることは楽しみの一つ。その選択肢を狭めるなんて身体に悪い。(文:松本ミゾレ)

「1日1000円ってことは1食300円だぞ」

先日2ちゃんねるに、「1か月の食費3万円で『高い!』って風潮あるけどおかしくね?」というスレッドが立っていた。日本人の現在の平均年収は400万円台前半。仮に1つの世帯の食費が3万×12か月としたら、年間食費だけで36万円になる。年収の約10分の1が食に投じられるわけだ。

スレ主は「1日1000円ってことは1食300円だぞ」と書き込んでいる。高いわけがないという主張は、揺るがないようだ。

ただ、「2万で済む」「3万円は高い」と主張する反対派も譲らない。いや、分かる。自炊だってやりくりすれば1日1000円分の食材で上手く献立を作れるし、作り置きだって出来るという意見。よく分かる。

ただ、それが出来る人って、時間か体力か気力、はたまた全部にがっつり余裕があるタイプだ。仕事が定時で終わり、買い物をする時間も確保できて、しっかり毎日の献立を考えることが可能な人。または、休みの日に一週間分まとめて買いに行って、家で大量に作り置きを作れる人に当てはまるような話だ。

現実問題、そんな人ってどれだけいるだろう。残業後にはわずかな時間も惜しいし、出来合いの食事を買ったところで、誰が責められようか。

「やっていけなくはないけど毎日キッチリ3食食べることは困難」

さて、このスレッドには「食費3万以下とか余裕っしょ」みたいな声も多かった。確かに、生きるための栄養源を最低限摂取するという目的の上には、3万以下の達成は容易い。

でも、それでいいんだろうか。低コストで用意できる食事って粗末なものが多いじゃないの。この視点を軸に、スレッドに寄せられている意見の中からいくつか紹介したい。

「食事なんか一番金かけてるわ。『欲しいもの買う為に食費を減らしてー』とかそういうのが理解できない性格だから一般的ではないかもしれんが、食費を削るなんてそれこそ最後の最後。生きる最低限の金しかないときだわ。そんな状況今のところないけど」

「3万円じゃ大した物食えねーよな。毎日2000円くらいでようやく贅沢ができる」
「健康に生きたいなら食費3万は最低ラインかもな」「食費3万は安い。5万で普通」
「1人暮らし月3万でやっていけなくはないけど毎日キッチリ3食食べることは困難。1か月3万は安いと思う」

食には相応のお金をかけるべきと感じている人の意見は、珍しくない。

たとえば、1日にカップ麺3つだけを食べていれば、支出はせいぜい700円程度で済む。でも、そんな食生活の何が嬉しいのか。健康を損ね、量の割にはカロリー過多の、バランスを欠いた食事を摂るだけで本当に良いのか。

かと言って自炊をしたところで水道光熱費はかかるわけだし、食費を3万以内に抑えようとしても、実際には足が出ていることだってよくある話。それだったら出来合いだろうとなんだろうと、健康的な食事を摂ることを優先したほうがいい。結果的にそのせいで月の食費が4万、5万になろうと、それで身体に害が少ないなら何よりの儲けモノである。

どうもこのところ、身を削って贅沢を禁ずることが素晴らしいことだと勘違いをしている人が多い。食は最大の娯楽だよ。