2018年スーパーGTのシーズン最終戦、タイトル決定の天王山となる第8戦が11月10日に栃木県のツインリンクもてぎで開幕。今季最後の公式練習で、スーパーGT500クラスはEpson Modulo NSX-GTがトップタイムを記録。GT300クラスはSUBARU BRZ R&D SPORTがタイムシートの最上位につけた。
金曜午後からの降雨が夜半まで続き、セッション開始定刻の午前8時50分時点でトラック上はまだ濡れており、1時間45分の公式練習はウエット宣言がなされてのスタートに。気温17度、路面温度19度、湿度65%という環境のなか、両クラスとも、まずはラインが乾くのを待ちながらの走行開始となった。
午後の予選や明日の決勝に向けては晴れ予報が出ており、各車ノーウエイトでのドライバランスを確認することがメインの仕事。路面改善を待つのももどかしく多くのマシンが周回を重ねるなか、フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rのジョアオ-パオロ・デ・オリベイラ、KeePer TOM’S LC500のニック・キャシディが相次いでV字コーナー、ヘアピンでワイドランする場面も見受けられた。
開始20分経過時点で、レインタイヤ装着で濡れた路面を探しながらの23号車、MOTUL AUTECH GT-Rが1分46秒007でトップへ。一方、GT300クラスは“ちょい濡れ”を得意とするダンロップ勢が気を吐き、Hitotsuyama Audi R8 LMSが首位。2番手にも同じくダンロップのGAINER TANAX GT-Rが続く。するとセッション25分経過でGT500クラスでもダンロップを履くEpson Modulo NSX-GTが1分45秒台に突入し、首位に浮上してくる。
日差しが戻りつつあるセッション40分経過を前にGT500は本山哲のCRAFTSPORT MOTUL GT-Rが1分45秒265でトップタイム更新、GT300でも植毛 GT-Rが1分53秒202で首位におどり出るなど、徐々にコンディション改善の兆しが見え始める。
その後も秒単位で大きくタイム更新が続き、KEIHIN NSX-GTの塚越広大が先陣を切ってドライタイヤへ。1分40秒台中盤で慎重に入ると、計測周回で1分40秒215と大きくファステストを更新し各車が続々とスリックへのチェンジを開始する。
セッション折り返しの50分経過時点で、これまで走行を控えていた36号車au TOM’S LC500が中嶋一貴のドライブでようやくコースイン。周囲も続々とドライタイヤでのタイム更新を果たしており、ここからマシンバランスの確認とセットアップ作業がようやく本番を迎えることに。
■専有走行でも路面は急速に改善。GT500はホンダとレクサスがトップ3分け合う
GT300専有走行まで残り15分となる午前10時の時点で、GT500は連覇が掛かる1号車、KeePer TOM’S LC500の平川亮が1分37秒953の首位タイムをマークし、フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R、KEIHIN NSX-GTのトップ3に。
GT300はSUBARU BRZ R&D SPORTが首位に立ち、マネパ ランボルギーニ GT3、リーガルフロンティア ランボルギーニGT3のウラカン勢が続く展開。その後、路面状況も急速に改善が進むと、各車予選シミュレーションを行った10分間の占有走行を前に1分46秒974へとさらにタイムを短縮した61号車BRZがトップを堅持。
2番手にこちらも同じく専有前にタイムを更新したグッドスマイル 初音ミク AMGが浮上し、逆転タイトルに向け虎視眈々。3番手にはマネパ ランボルギーニ GT3が最後のアタックで再浮上。チャンピオン最有力の選手権首位、55号車ARTA BMW M6 GT3は14番手に留まった。
また、この専有走行では、CARGUY ADA NSX GT3が左リヤタイヤが外れかかったか、リヤから白煙を上げてマシンを止めるアクシデントも起きている。
GT500占有走行を前に気温は21度まで上昇し、それに伴い路面温度も27度とさらにドライアップが進むなか、セッション残り2分でベルトラン・バゲットのEpson Modulo NSX-GTがコースレコードまでコンマ6に迫る1分36秒697をマーク。2番手にジェンソン・バトンの100号車RAYBRIG NSX-GT、3番手にZENT CERUMO LC500の石浦宏明が続いている。
このあと快晴予報で10月上旬並みの気候となりそうなツインリンクもてぎでは、午後14時からノックアウト方式での公式予選セッションが行われる。