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大量点差をひっくり返すには勝つしかない! GT300タイトル争いの行方は……!?

2018年11月09日 20:31  AUTOSPORT web

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もてぎでの公式テストを走るARTA BMW M6 GT3。タイトル争いを優位に進めている
いよいよ11月10~11日の2日間、栃木県のツインリンクもてぎで2018年最終戦となるスーパーGT第8戦が開催される。GT300クラスでは、今季富士で2勝を挙げ60ポイントを積み重ねている高木真一/ショーン・ウォーキンショー組ARTA BMW M6 GT3がランキング首位。2位の黒澤治樹/蒲生尚弥組LEON CVSTOS AMGが48ポイントで、その差は大きい。今季のタイトル争いはどんな結末を迎えるだろうか……!?

 タイトル争いをリードする高木/ウォーキンショー組は、富士での2勝に加え、第1戦岡山での5ポイント、さらに第7戦オートポリスで得た8ポイントが大きく、高木は2002年以来となるチャンピオンに近づいている。ランキング2位の黒澤/蒲生組が48ポイント、さらにランキング6位の平中克幸/安田裕信組GAINER TANAX GT-Rまでがチャンピオン争いの権利があるが、可能性は多くのチームが優勝、もしくは2位が必要であり、かなり厳しい状況だ。

 走行を翌日に控えたもてぎで多くの関係者に話を聞くと、やはりこの点差から、逆転はかなり厳しいように感じている口ぶりが多かった。特に今シーズンのGT300はブリヂストンのパフォーマンスが非常に高く、タイトルを争う6台中4台がBS装着車。シーズン最終戦で“ハズす”イメージもあまりなく、それゆえARTA BMW M6 GT3が有利なのではないかというのだ。

 ちなみに、このもてぎは得意な車両がかなり偏っていることも特徴。タイトル争いをする中で比較的得意としているのは、BMW M6 GT3、そしてトヨタ・プリウスGT。またニッサンGT-RニスモGT3も苦手ではない。メルセデスAMG GT3もタイヤがかみ合えば速い。

 ただそれ以上に、得意中の得意とするマシンもいる。ポルシェ911 GT3 Rはまさにそれで、2017年も上位を争ったほか、2016年も表彰台。事前の公式テストでもGULF NAC PORSCHE 911が総合トップでD'station Porscheが3番手と、タイトル争いをするメンバーにとっては厄介な存在なのは間違いない。また、GT300マザーシャシーでは、HOPPY 86 MCがこのコースでは過去にタイヤ無交換作戦を成功させており、好結果を残している。彼らはすでにタイトル争いの権利はないが、こちらも上位には入ってきそうだ。

 このマザーシャシー勢が得意とするタイヤ無交換作戦は、他のチームもやってきそうな気配がある。ただ、この週末は最高気温が20℃を越えそうで、そのあたりを予測してきたタイヤメーカーに勝機は出てくるだろう。特に逆転タイトルを狙うチームは、是が非でも優勝か2位が欲しいだけに、チャレンジする可能性が高い。

 ARTA BMW M6 GT3が有利な状況ながら、もし万が一ストップしたり、下位に沈んだりすることがあると、俄然優勝争いがタイトル争いに変化し、見逃せないレースになる可能性もある。特にノーウエイトの最終戦だけに、優勝を狙うにはチーム力が問われるだろう。いずれにしろ、今季最終戦はGT500とともに、GT300もアツい戦いとなりそうだ。