これまで数多くのレーシングカーを世に送り出し、レーシングチームとしても国内トップカテゴリーで活躍するムーンクラフトと、レーシングカーをはじめ多くのカーボン製品を手がける東レ・カーボンマジックが11月8日、プレスリリースをホームページに掲載し、ムーンクラフト株式会社が全株式を東レ・カーボンマジックに譲渡し、東レ・グループの一員として新体制となると発表した。
ムーンクラフトは、デザイナーである由良拓也代表が1975年に創業。レーシングカーのデザインや開発を手がけ、フォーミュラやスポーツカー等で大活躍。1985年には自チームも結成したほか、86年には風洞を設け、そこから開発されたMCSカウルは当時のGCレースを席巻した。
2018年もGT300クラスで活躍するロータス・エヴォーラMCの開発をはじめ、近年もさまざまなインダストリアルデザインを手がけているが、11月8日づけでムーンクラフトと東レ・カーボンマジックはプレスリリースを発行。ムーンクラフトが東レ・カーボンマジックに全株式を譲渡することが明らかにされた。
東レ・カーボンマジックは、2001年に童夢カーボンマジックとして誕生。レーシングカーはもちろん、カーボンを使用するさまざまなパーツを手がけているほか、航空産業にも進出。GT500クラスで使用される共通モノコックや、GT300マザーシャシーのモノコックも東レ・カーボンマジック製だ。かつてさまざまなレーシングカーに携わった奥明栄氏が社長を務めている。
両社はプレスリリースのなかで「今回、ムーンクラフトと東レ・カーボンマジックの合体を機に、コンポジット技術深化の源泉であるレーシングカー研究・開発の体制や環境の基盤を整え、新しい時代のレーシングカーコンストラクターを目指します」としている。
「また、その先にはカロッツェリア(自動車制作工房)として、自動車の新しい概念や未来を創造・提案することが可能になると信じています。そして、これからの活動が、コンポジット技術の持続的進化と拡大を促進し、ひいては日本のモーターレーシングの発展を後押しするものと考えています」
「新しいムーンクラフト、東レ・カーボンマジックの活動に是非ご期待ください」
今後の新体制がどのように変化していくのかは、今回のリリースには触れられていない。