新垣結衣さんと松田龍平さんが主演のドラマ『獣になれない私たち』(日テレ系)の第5話が11月7日、放送された。
初回から、新垣さんが演じる深海晶の職場がブラックすぎる、辞められない理由が痛すぎるなど視聴者の感情を揺さぶってきた同ドラマ。今回はこれまでの放送と比べ、特に「トラウマになった」という声が相次いだ。
執拗なまでに繰り返される「幸せなら手を叩こう」
ECサイト制作会社で働く晶は、全方位に気を使いすぎてしまうタイプだ。不満を抱きながらも、パワハラ上司のもと、秘書業務から後輩指導、取引先へのプレゼンの代理や身代わり謝罪の土下座までする、かなりのブラック企業に身を置いている。
恋人である京谷(演:田中圭)は無職になった元カノ・朱里(演:黒木華)を家に居候させ続けている上に、呉羽(演:菊地凛子)と一夜を共にしてしまう。京谷自身、罪悪感があり晶に謝るものの、朱里のことも呉羽のことも、優柔不断で煮え切らない。
晶は京谷の元カノ・朱里と遂に対面し「ここを出ていくつもりありますか?」と冷静に問いかけるが、朱里からは
「幸せでキラキラしてる人は違うね~いつまでも無職で何もしない私とは違うよね」
「あなたが持ってる色んなもの、私持ってない。あんたみたいな人大嫌い!」
と、感情的にあたられてしまうのだった。仕事でも私生活でも平穏とは程遠い状態だ。
ドラマではこうした晶の状況が描写された後、数分にわたって晶の鼻歌で「幸せなら手を叩こう」が流れた。歌が流れている間、晶は社長からの怒号が飛んできてもニコニコと仕事を遂行する。同僚らは「深海さん、ずっとうた歌ってるんですよ。ちっちゃい声で」と、心配すると同時に恐怖を感じているようだった。「幸せなら手を叩こう」は、合いの手で手を叩く手遊び歌だ。日常シーンの合間に繰り返し挟まれる手を叩く描写も、気味の悪さを増幅させていた。
「誰だよ演出した奴……一生『幸せなら手をたたこう』聞けねぇわ…」
ツイッターではこの演出に、
「幸せなら手をたたこう怖かった」
「心臓がやっっばい…誰だよ演出した奴……いっっっ生幸せなら手をたたこう聞けねぇわ…ものすごいトラウマ負わせたんだぞ」
「たぶん今晩からふとした時に『幸せなら手をたたこう(ぱんぱん)』が脳内再生されて世にも奇妙な物語並みにぞっとする。間違いない」
と慄く声が相次いだ。また、
「晶さんめちゃくちゃ病んでますけど大丈夫ですか」
「『幸せなら手をたたこう』の歌を口ずさむ晶が、まるで『自分は大丈夫』と言い聞かせているようにも見えた。本当に大丈夫な人は、自分に『大丈夫』なんて言い聞かせる必要はないんだよ」
と心配する人も少なくはない。
出演者の松田龍平さんつながりで、松田さんが主演を務めた映画『青い春』を想起する人もいた。同映画では、学校の壁に「しあわせなら手をたたこう」と落書きされており、屋上の柵の向こうに立ち、手を離した間に何度手を叩けるかという度胸試しゲームがある。
オマージュではないかという見方もあったが、「あれ(編注:映画)はあれで怖かったけど、けもなれはホラー過ぎだよ」と肝胆を寒からしめたという声も寄せられた。