BMWは11月6日、イタリアで開催されているミラノ国際モーターサイクルショー(EICMA)で、2019年シーズンのスーパーバイク世界選手権(SBK)の参戦発表を行った。2013年SBKチャンピオンのトム・サイクスと、マーカス・ライターベルガーがエントリーする。
BMWはまず、EICMAで新車発表を行い、2009年に発表されたスーパースポーツS1000RRの2019年モデルを初披露。先代型から車体重量が11kg軽量化され197kg、8馬力向上して207馬力のスペックを誇るマシンに仕上げられた。
さらに2019年シーズンのSBKの体制が発表され、BMWモトラッド・ワールドSBK・チームとして参戦し、新型のS1000RRをベースとしたマシンで戦うこと、ライダーにサイクスとライターベルガーを起用することを明らかにした。
チームは、BMWモトラッドモータースポーツとショーン・ミュア・レーシングが運営。BMWがエンジン、エロクトロニクス、シャシー、空力の開発を担当し、ショーン・ミュア・レーシングがマシンテスト、レースなどの活動を行う。
ライダーのサイクスは、2009年にヤマハからSBKにフル参戦し、2010年にカワサキ・レーシング・チームに移籍。2013年には9勝を挙げ、低迷期だったカワサキでチャンピオンに輝いた。2012、2014、2016年はランキング2位、2015年と2017年はランキング3位を獲得した。
今季もカワサキから参戦しランキング4位を獲得。これまで通算34勝、表彰台は108回、ポールポジションは48回獲得している。7月には、2018年シーズン限りでカワサキとの契約を終了することを発表していて、今回BMWに移籍することがアナウンスされた。
サイクスは「SBKでBMWの新しいプロジェクトに参加することをとても楽しみにしている。BMWとショーン・ミュア・レーシングのパートナーシップは素晴らしい機会であり、どこに向かうかという同じ目標を共有していることを理解している。プレシーズンテストで新型BMW S1000RRの乗り味と新しいチャレンジや冒険をすることを楽しみにしている」とコメントした。
チームメイトとなるライターベルガーは24歳のドイツ人ライダーで、2011年にFIMスーパーストック1000(STK1000)にBMWから参戦。2013年と2015年はドイツスーパーバイク選手権(IDM)でタイトルを獲得した。
2013年にはドイツのニュルブルクリンクで開催されたSBKにスポット参戦し初のポイントを獲得。2016年にSBKフル参戦を果たし、2017年はIDMで再び戦った。
今季はSTK1000に参戦し、BMWのマシンで8戦中4勝、表彰台に6度のぼりチャンピオンを獲得した。
ライターベルガーは「SBKに戻るチャンスを得ることができ大変喜んでいる。BMWファミリーに留まることができ、良い経験を積んだチームで戦えることが嬉しい。僕はこの新しいチャレンジを楽しみにしている」とコメント。
また、サイクスについて「チームメイトになるトム・サイクスと一緒に仕事できることを楽しみにしている。僕は彼をすごくリスペクトしている。彼はチャンピオンを獲得していて、何年も最前線にいる。彼のチームメイトになるのは素晴らしい」と語った。
ジョナサン・レイ(カワサキ)の4年連続タイトルで幕を下ろした2018年シーズンのSBK。5日には、ドゥカティがV4エンジンを搭載する、SBKで来季使用するベースマシンであるパニガーレV4 Rを公開した。そしてBMWは今回、S1000RRをモデルチェンジすることを発表。2019年シーズンのSBKに注目が集まる。