押見修造の漫画『惡の華』が実写映画化され、2019年に公開される。
2009年から『別冊少年マガジン』で5年間にわたって連載され、「このマンガがすごい!2011」オトコ編10位にランクインした『惡の華』は、「絶望」をテーマに主人公の鬱屈とした青春と行き場のない衝動を描いた作品。かつてシャルル・ボードレールの『惡の華』に憧れを抱く内向的な文学少年だった高校生の春日高男が、クラスのマドンナ・佐伯奈々子の体操着を盗んだことを変わり者の仲村佐和に目撃されたことをきっかけに、仲村に契約を持ちかけられるというあらすじだ。2013年にアニメ化、2016年には舞台化もされている。
実写映画版の監督は、原作者である押見修造の指名を受けた井口昇が務める。脚本は『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『心が叫びたがってるんだ。』などの岡田麿里が担当。撮影は11月から関東近郊で行なわれる予定だ。映画の公開時期やキャストについては後日発表される。
井口昇監督は「『惡の華』を初めて読んだ時、最初の数ページで『これは絶対に映画にしたい。そのために映画監督になったのではないか』と全身に電流を浴びたような衝撃と直感に満ち溢れました。長い片思いのような気持ちを抱え続け、遂に実現できる事になりました」「今を生きる観客が求める題材とリンクしてきた『惡の華』こそ、今映画にするべき作品だと思っています」とコメント。
脚本の岡田麿里は「自意識の暴走と、どうしようもない焦燥と、それらが引き起こす羞恥と、土地がもたらす閉塞感と……。『惡の華』が持ついくつかのテーマは、誰しもの思春期と重なる部分があると思います。皆さんの中の少年少女が疼くような、そんな作品になるといいなと思います」と意気込みを語っている。
また原作者の押見修造は井口と岡田について「井口昇監督に『惡の華』を撮って頂くことは、長年の夢でした。僕の魂を救ってくれて、物語の作り方の手本にしてきたのが井口監督の作品だったからです。『惡の華』を描く上でも多大な影響を受けました。ですので、1番楽しみにしている観客は僕だと思います!さらに、岡田麿里さんの脚本が絡み合うことで想像以上のものが出来ると思っています」と期待を寄せている。
■井口昇監督のコメント
「惡の華」を初めて読んだ時、最初の数ページで「これは絶対に映画にしたい。そのために映画監督になったのではないか」と全身に電流を浴びたような衝撃と直感に満ち溢れました。
長い片思いのような気持ちを抱え続け、遂に実現できる事になりました。
毒のある過激さだけではない普遍性と、孤独を感じる少年少女への共感が、「惡の華」に人々を惹きつける理由だと思います。
今を生きる観客が求める題材とリンクしてきた「惡の華」こそ、今映画にするべき作品だと思っています。
■岡田麿里のコメント
自意識の暴走と、どうしようもない焦燥と、それらが引き起こす羞恥と、土地がもたらす閉塞感と……。
「惡の華」が持ついくつかのテーマは、誰しもの思春期と重なる部分があると思います。
皆さんの中の少年少女が疼くような、そんな作品になるといいなと思います。
■押見修造のコメント
井口昇監督に「惡の華」を撮って頂くことは、長年の夢でした。
僕の魂を救ってくれて、物語の作り方の手本にしてきたのが井口監督の作品だったからです。
「惡の華」を描く上でも多大な影響を受けました。
ですので、1番楽しみにしている観客は僕だと思います!
さらに、岡田麿里さんの脚本が絡み合うことで想像以上のものが出来ると思っています。
本当の、切実な、胸に突き刺さる「変態」を観れることを心待ちにしています。