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Samsung、開発者会議で折り畳み型スマホ「Galaxy F」を発表か? 7.3インチ画面でシルバーボディ?

2018年11月07日 17:22  リアルサウンド

リアルサウンド

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 メーカー別スマホシェア1位を長らく死守しながらも、近年では中国メーカーの台頭でその勢いに陰りが見えていた韓国メーカーSamsungが、起死回生の一手を打ってきそうだ。(関連:Samsungの折り畳み型スマホはタブレットにもなる? 中国・韓国メーカーで技術革新進む


■起死回生の切り札
 ロイターは6日、Samsungが7日と8日にアメリカ・サンフランシスコで開催する開発者会議で、折り畳み型スマホを発表すると報じた。製品名が「Galaxy F」と予想されているスマホに関して、同社関係者は「わたしたちは折り畳み型スマホを市場に投入する前に、わたしたちが今までの開発中に行ってきたことをスマホ開発者と共有し、また開発者たちが折り畳み型スマホについてどう考えるのかを知りたいのです」とコメントしている。


 関係者のコメントにあるように、今回の発表には同スマホの仕様を開発者と共有して同スマホに対応したアプリ開発に備える、という趣旨がある。それゆえ、端末本体の発表はないだろうと見られている。


 調査会社IDCのレポートによると、2018年第2四半期における世界のスマホシェアにおいてSamsungは20.9%で1位となっているのだが、前年比で10.4%のマイナス成長を記録している。折り畳み型スマホは、成長の止まった同社を再浮上させる切り札と考えられている。


 折り畳み型スマホに関する市場予測は5月に調査会社Strategy Analyticsが発表しており、2019年には世界で120万台販売され、2023年には約6,500万台にまで出荷数を増やすだろう、とのことだ。


■スマホというよりプラットフォーム?
 Galaxy Fの仕様についてはスマホ専門メディア『phoneArena』が、5日、リーク情報をまとめた記事を公開した。その記事によると、同スマホの外見はシルバーボディとなり、ベゼルはスリムなブラックになる。ディスプレイは広げた状態で7.3インチである。ちなみにiPhone XS Maxのディスプレイは6.5インチ、最新iPadのそれは9.7インチである。


 同スマホに搭載されるチップはQualcomm製の最新チップ「Snapdragon 8150」であり、内部ストレージは512GB、さらにデュアルSIMをサポートすると見られる。


 CNETは、6日に公開した同スマホに関する記事において、調査会社IHS Markitの主席アナリストWayne Lam氏の論評を紹介している。同氏は、折り畳み型スマホのリリースは新しいスマホが世に出るというよりは、新プラットフォームのリリースに近い、と指摘する。というのも、折り畳み型スマホは従来のスマホとは大きく異なるUIとUXをユーザに提供すると考えられるからだ。そもそもGalaxyシリーズで採用されているOSのAndroidは、ディスプレイをふたつに折り畳むことを想定していない、とも述べている。


■各メーカーがしのぎを削る折り畳み型スマホ市場
 折り畳み型スマホを開発しているのは、Samsungだけではない。オランダのテック系メディア『LetsGoDigital』は、先月13日に各メーカーの折り畳み型スマホに関する特許をまとめた記事を公開している。その記事では、Samsungのほかに中国メーカーOppo、韓国メーカーLG、そしてモトローラの名前が挙がっている。


 しかし、世界初の折り畳み型スマホをリリースした栄誉を与ったのは、中国メーカーRoyoleである。同社は、1日、折り畳み型スマホ「FlexPai」を発表した。同スマホは、広げた状態でのディスプレイサイズは7.8インチで、ベゼルはカメラを実装している端末上部のみ幅があり、残りの部分は細い造形となっている。


 折り畳み型スマホ開発における難題は、ディスプレイの柔軟性と耐久性を両立させることにある。 FlexPaiのディスプレイは、通常のスマホのようにガラスの表面ではなく、プラスチックで覆うことで難題を解決している。SamsungがRoyoleと同様の解決策を採用するかどうかについては、疑問の余地が残る。スマホは表面をガラスで覆うことで滑らかな操作感を実現している。表面をプラスチックで覆うことはこのスマホ特有の操作感を犠牲にすることになり、Samsungがこうした犠牲を易々と払うとは考え難いからだ。


 いずれにしても、Samsungが折り畳み型スマホを発表することでこの製品カテゴリーが一気に注目の的になることは間違いない。来年のスマホニュースは、折り畳み型スマホの話題が多くなるだろう。


(吉本幸記)