WRC世界ラリー選手権の公式YouTubeチャンネルで公開されているクリス・ミークへのインタビュー映像のなかで、ミークは2018年の「シトロエンの環境は理想的ではなかった」と語っている。
長年、シトロエンのエースドライバーとして活躍してきたミーク。これまで通算4勝を挙げている一方、激しいクラッシュも多く、2018年の第6戦ポルトガルではマシン前部が大破する大クラッシュを起こしている。
シトロエンはミークの度重なるクラッシュを受け「クルーの安全性に影響を及ぼしかねない」としてシーズン途中の5月24日に契約解除を決断。以降、ミークはラリー界と距離を置いていた。
しかし10月17日に発表されたトヨタの2019年WRC参戦体制のなかで、チームを離脱するエサペッカ・ラッピに代わって、ミークの加入がアナウンスされ、ふたたびWRCの舞台に舞い戻ることが明らかとなった。
公開されているインタビューのなかで、ミークは「5月にチャンピオンシップから離れて、自分だけの時間を過ごすことができた。これまでWRCに多くの時間を割いてきたから、家族と時間をともにできたのはうれしかったね」と契約解除後の心境を明かしている。
「だけど、すぐに(WRCへ)戻りたいという欲求が強くなったんだ。これまでラリーで戦うために生活の大部分を割いてきたし、もう一度ラリーカーをドライブしたいと思った」
「シーズン中盤に何回か電話があって、(トヨタの拠点があるフィンランドの)ユバスキュラを訪れた。(トヨタとの契約に関する)事の発端は本当にシンプルなものだったんだ。2019年、もう一度スタートラインに立てることをうれしく思っているよ」
また、ミークは「チャンピオンシップから離れて数週間して、シトロエンの環境は理想的なものではなかったと思うようになった」と、シトロエン時代をふり返っている。
「世界最高峰の舞台で戦っているのに、心の底から楽しむことができていなかったし、舞台裏では複雑な形で物事が進んでもいたからね」
こう明かしたミークはすでにフィンランド国内でテストを行っていてトヨタ・ヤリスWRCをドライブ済み。またチームともすでに活動をともにし始めているという。
「個人的には誰がチームメイトでも大きな影響はない。同じチームに所属していて、チームのために戦っていくんだからね。それにヤリ-マティもオット(タナク)についてもよく知っているから、そこも問題はないよ」
「一番大きな変化はチーム代表が4度のWRCチャンピオンであるトミ・マキネンだということ。マキネンは(ドライバーとしての経験があるため)僕が言っていることをすぐに理解してくれる。以前の環境では、しっかり理解してもらうのに時間が必要だったよ。これは新鮮だったね」
「それにチームにいる誰もが勝ちたいと望んでいて、一致団結している。これまでの経験からすれば、この環境は僕にとって特殊なものなんだ。特にここ数年は複雑な状況に置かれていたから、なおさらだよ」