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ふるさと納税「お宝」ハンター興奮…超高還元の旅行券、11月も生存

2018年11月05日 10:32  弁護士ドットコム

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総務省が目を光らせる「ふるさと納税の返礼品」問題で、一部の自治体が総務省の要請に反して、11月に入ってからも「超高還元」の旅行券を用意していることがわかった。多くの自治体が見直しに動き、ふるさと納税ファンの一部に落胆が広がるなか、ネット上では「国の力に負けるな」「総務省に負けず、頑張ってください」などと激励の声が寄せられている。


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●他自治体はほとんど30%以下

自治体は、和歌山県高野町。ふるさと納税ポータルサイト「ふるなび」では、高野町への寄付で、寄付額の50%分の日本旅行ギフトカードと1%分のAmazonギフト券(カード決済の場合)を期間限定の返礼品として紹介している。


寄付は2万~200万円まで。たとえば4万円の寄付をしたら、2万円分の日本旅行ギフトカードと400円分のAmazonギフト券が後日もらえる。返礼率は51%となる計算で、ほとんどの自治体が30%以下に抑えているなか「超高還元」といえる。


サイトでは、終了時期は明示されず、予定受付数に達した際には早期に終了する場合があるとしている。寄付したとみられる人からは「政府の圧力に負けず、返礼率維持して下さい」「高還元率なので寄付することに決めました」などと応援の声が書き込まれ、一方で、「総務省によってキャンセルされないか気になります」と先行きを懸念する声も記されていた。


●うまみ大きい返礼品、10月で絶滅と思いきや

法規制の方針も表明しつつ「見直し圧力」を強める総務省は、自治体の返礼品見直しの状況について11月1日時点の調査をすることになっている。そのため、これまで従ってこなかった自治体も、「返礼率3割以下」「返礼品を地場産品に」という総務省による要請を受け入れ、10月末までに問題視された返礼品の見直しに着手していた。


「うまみ」が大きい返礼品は10月末をもって基本的にはなくなったとみられたが、高野町が超高還元の返礼品を用意し続けていることがSNSなどを通じて広がると、ファンは沸き立った。「これを機に一度高野町に旅行に行ってみたいです。諸々の批判はあると思いますが、集客効果にも影響があるのでこの方法応援しています」との声も確認できた。


弁護士ドットコムニュースでは11月5日午前、ふるさと納税を担当する高野町企画公室に取材を試みたが、「お話しできる者が全員出張している」(担当者)とのことだった。


●総務省への不満くすぶる

総務省による見直し方針をめぐっては、「一方的な押し付けだ」(大阪府泉佐野市)など自治体側にも不満はくすぶっている。誰もが知るブランド牛や高価な海産物などがある自治体とは異なり、特産品が乏しい自治体ではどうにか寄付を集めようと知恵をしぼってきた経緯があるからだ。その代表例が、旅行券や家電製品などを返礼品にすえることだった。


ふるさと納税は、寄付額から自己負担分の2000円を除いた額が、所得税や住民税から控除される仕組み。税制上のメリットである控除を受けられる額は年収に応じて決まる。例えば「ふるなび」のシミュレーションでは、年収1000万円の人が控除を受けられる上限額の目安を17万円ほどとしている。


(弁護士ドットコムニュース)