ハースF1チームのケビン・マグヌッセンは、現在のF1マシンのミラーはほとんど役に立っておらず、重要な場面で後方が見えないことが事故につながっていると不満を述べた。
マグヌッセンは後方のマシンに対するブロックの仕方などについて繰り返し批判を受けている。これに対して彼は時に、後ろから他のマシンが近づいてくるのが見えなかったと説明してきた。
最近の話でいえば、2018年日本GP決勝で、マグヌッセンはストレートで突然右に寄ったため、すぐ後ろを走っていたザウバーのシャルル・ルクレールが避けきれずに追突した。ルクレールは「マグヌッセンはいつもああいうばかなことをする。これからも変わらないのだろう」と怒りを示した。
スチュワードはこの接触についてマグヌッセンにペナルティを科さなかった。しかし、後にFIAレースディレクターのチャーリー・ホワイティングはそれは間違いだったと認め、マグヌッセンは、後ろからルクレールが近づいてきているなかで、ぎりぎりになってラインを変えており、それは危険な行為だったと発言した。
マグヌッセン自身もそれを認めている。
「彼(ホワイティング)が意見を変えたのはもっともな話だと思う。僕が進路を変更するのが遅すぎた」とマグヌッセン。
「でも、走っている時、後ろのドライバーが動くまでこっちには見えていないんだ。それは解決すべき問題だ」
マシンのウイングやサイドポッドに遮られてミラーで後方が見えづらくなっていることはFIAも問題視しており、解決策を講じようとしており、2019年には視界を広げるため、リヤウイングの位置を上げ、ミラーの取り付け位置も変更する予定だ。
「リヤウイングの位置が高くなるから、(視界は)よくなるはずだ」とマグヌッセン。
「(今は)リヤウイングが邪魔になって、すぐ後ろにいるドライバーのことが見えない。彼が動いて初めて分かるんだ。見えなければ反応しようがない」
「今のマシンは本当にひどい。後ろのマシンが真後ろにいるときには全く見えない。少しずれないと見えないんだ」
ドライバーたちからは、この問題を解決するためには、バックカメラなど、より技術的な解決方法が必要であるとの意見が出ている。
ハースのチーム代表ギュンター・シュタイナーはそれに対して肯定的な意見を述べている。
「そういうテクノロジーがすでにあるのだから、活用可能だ。今、FIAとの間で議論を行っているところで、チャーリー・ホワイティングが検討している」
「後方や横方向の視界がそれで改善されるのであれば、ザウバーが(後ろから)近づいてきたときにはそれに気付くし、そうすれば接触も起こらないだろうね!」