2018 GAZOO Racing 86/BRZ Race 第9戦 プロフェッショナルシリーズ
谷口信輝が3年ぶり3度目の王者に輝く
開催場所:鈴鹿サーキット
開催日:2018年10月27日(土)~2018年10月27日(土)
2018 GAZOO Racing 86/BRZ Race 第9戦 プロフェッショナルシリーズ
6年目のシーズンも、いよいよ最終戦。鈴鹿サーキットでのチャンピオン争いは3人に絞られた。ポイントリーダーは#82谷口信輝(9戦中6戦ブリヂストン装着)。2位の#17織戸学(9戦中5戦ブリヂストン装着)、3位の#34佐々木雅弘(ブリヂストン)がチャンピオンの可能性を残しているものの、ポイント差は大きく、谷口は5位以内となれば無条件にチャンピオンを獲得できる。
逆に織戸は、谷口がノーポイントでも2位以上にならないと逆転できず、佐々木は優勝だけが唯一の道。つまり谷口は、大きな失敗をしなければチャンピオンとなる可能性が高い。この最終戦は、10月27日(土)のワンデイレースとなり、午前中に予選、夕方に決勝レースというタイムスケジュールとなった。
●予選
夜半からの雨が完全に上がったとはいえない朝、レース前車検でタイヤへのマーキングが行われるため、タイヤを選択・決定する必要があった。谷口はチャンピオンを獲得するための最善の手として、ブリヂストンを選択した。その理由は予選で上位を得るためで、ライバルのタイヤに対してブリヂストンが、ウエット性能で優位性があったことだ。路面がどこまで乾いていくのか? 谷口は乾きにくいと想定したのだ。
しかしプロフェッショナルシリーズの予選までには、いくつかの走行スケジュールがあり、レコードラインはほぼドライとなっていたが3番手タイムをマーク、ブリヂストン装着勢のトップとなった。
フロントロウには、#80菅波冬悟(DL)と#500坪井翔(DL)という、若手ドライバーが並んだ。ブリヂストン装着勢では、#90阪口良平が6位、#88井口卓人が9位、#121蒲生尚弥が10位となった。
●決勝レース
路面は完全なドライとなった夕方の決勝レース、気温も少しずつ低下していた。スタートからレースは動いた。谷口信輝はスタートこそ問題なかったものの、コース前半のテクニカルセクションで苦しみ、5位までポジションを落としてしまう。入れ替わって3位となったのは#97小河諒(DL)と4位の#1近藤翼(DL)。この2台のチームメイトバトルは、今シーズン何度も見られている。彼らが谷口の前を塞ぐことになる。
2位でスタートした坪井はジャンプスタートの判定でドライブスルーペナルティを受けて後退。ポールポジションの菅波が単独になると同時に、谷口は自動的に4位となる。2位争いは3台が密着しながら、時にラインを変えて並びかけるなど、攻防が続いていった。しかしオーバーテイクには至らず、谷口は4位でチェッカーフラッグを受けた。2015年以来、3年ぶり、3度目のシリーズチャンピオンに輝いた。
その他のブリヂストンタイヤ装着勢は、阪口が5位、蒲生が7位を獲得した。またシリーズランキングでは、佐々木が4位となっている。
●コメント
プロフェッショナルシリーズで5位を獲得した#90阪口良平(ブリヂストン)のコメント
「スタートでちょっと被せられて失速してしまい、順位を落としました。それでも相手の速い所と、自分の速い所がわかっていたので、順位を取り戻すことができました。ただし、前へ出た時には先頭グループとは距離が離れてしまっていたので、追い上げてはいったのですが、それ以上順位を上げることはできませんでした」
「タイヤのおいしいところが終わった後半、前に出てからベストラップが出たので、タイヤはロングでもタイムは安定して速かったと思います。だから5位というのは、ちょっと悔しい結果ですね」
プロフェッショナルシリーズで4位となり、シリーズチャンピオンに輝いた#82谷口信輝(ブリヂストン)のコメント
「チャンピオンを争っている織戸選手と佐々木選手の前に居ることが重要だったので、気まぐれな天気も考えて、ブリヂストンを選択しました」
「前を走るの小河選手、近藤選手のチームメイトバトルは本気なので、あまり近づきすぎて巻き込まれないように、それでもチャンスがあれば前へ出られるように、考えて走っていました。レース後半には、ブリヂストンのペースのほうが明らかに速かったのですが、それでも抜くことはできませんでしたね」
2018 GAZOO Racing 86/BRZ Race 第9戦 クラブマンシリーズ
復調した松原怜史が5位入賞 水谷大介はシリーズ3位を獲得
開催場所:鈴鹿サーキット
開催日:2018年10月27日(土)~2018年10月27日(土)
2018 GAZOO Racing 86/BRZ Race 第9戦 クラブマンシリーズ
いよいよ迎えた最終戦。決戦の場は、開幕戦と同じ鈴鹿サーキット。鈴鹿に始まり、鈴鹿で終わるのがGR 86/BRZ Raceの2018年シーズンのスケジュールだったのだ。
すでにシリーズチャンピオンは決まり、クラブマンシリーズは、それぞれのチームとドライバーが、今シーズンの締めくくりか? 来シーズンへの足がかりか? さまざまな思いの中でレースが行われた。
テクニカルな東コースと、ハイスピードな西コースを併せ持つ鈴鹿サーキットは、いうまでもなく難コース。しかも予選、決勝レースが開催された10月27日(土)は、夜半から朝まで雨が降るという天候で、路面コンディションの変化にも対応しなければならなかった。レースが難しいものになることは、誰もが予想していた。
エントリー台数は88台。鈴鹿サーキットのフルグリッドは40台なので、決勝Aレース、決勝Bレースを開催しても、8台が予選落ちすることになる。それだけに予選はハードなものになった。
●予選
2組に分けて実施された予選は、土曜日の朝8時過ぎからスタートした。雨はすでに上がっていたが、路面には水が残り、さらに時としてポツポツと雨粒が落ちることもあった。予選1組、開始直後から少しずつタイムアップし、目まぐるしくタイミングモニターが入れ替わる。コースの各所でコースアウトするマシンが見られていたが、残り1分30秒のところでコースアウトしたマシンを回収するために赤旗中断となり、そのまま予選終了となった。
2分38秒496のトップタイムをマークしたのは#610大島和也(DL)で、前日のプラクティスでトップタイムだった#70庄司雄磨(DL)の2分31秒705から、7秒近いタイムダウンとなった。
予選2組、雨は上がって路面コンディションは改善し、予選1組よりタイムアップするかと思われたがそうはならなかった。予選開始直後、調子を取り戻しつつある#713松原怜史(ブリヂストン)がトップタイムを出すが他のドライバーがタイムを更新し、再びアタックに入った松原選手はデグナーで痛恨のスピン。残り5分で赤旗中断となった。
再開後にトップタイムを出したのは#305水野大(DL)で、2分39秒833。その結果、トップタイムが上回った予選1組が奇数グリッド、予選2組が偶数グリッドからのスタートとなった。
ブリヂストン装着勢は、松原が8番グリッドから、9番グリッドから#703花里祐弥、12番グリッドには#760岩本佳之、そして13番グリッドから#92森山鉄也がスタートする。
●決勝レース
8周で行われた決勝Aレース、ポールポジションからスタートした大島は、リードを少しずつ広げていく。2位には惜しくもチャンピオンの逃した#0神谷裕幸(DL)が上がり、テール・トゥ・ノーズの状態でピタリと2台が揃った状態で、周回が進んでいく。その後方では、6番グリッドからスタートしたチャンピオン#70庄司が4周目に3位へと上がり、トップ争いの2台との差を一気に詰める。
予選同様にコースアウトするマシンもあり、ヘアピンや130Rにはすでにクラッシュしたマシンが停まっていた。まだまだ波瀾の予感があった。
有終の美を飾るのは、バトルの中でも余力を残していたように見えた神谷選手か?と思われた6周目、130Rでコースアウトしたマシンが横転、結局赤旗中断。決勝Aレースもまた、5周終了時点で幕切れとなった。
ブリヂストン装着勢は、しっかりと順位を上げてきた松原が5位、プロフェッショナルシリーズから転向した森山が8位、安定した走りで上位入賞の常連岩本選手が10位となった。今シーズンを通じて活躍しチャンピオン争いをしてきた#84橋本洋平(ブリヂストン)は11位、#25水谷大介(ブリヂストン)は12位という結果だった。シリーズランキングでは、水谷が3位、橋本が4位、松原が5位となっている。
●コメント
クラブマンシリーズ決勝Aレースで5位入賞を果たした#713松原怜史(ブリヂストン)のコメント
「5位という結果にはなったのですが、やっぱり予選の天候が読みきれず、スタート順位がよくなかったのが残念でした。マシンの調子は良くて、もしドライだったらポールポジションのタイムは無理だったとしても、2番手くらいのタイムは見えていました」
「そこからのスタートであれば、もっといい結果が出せたと思います。決勝のレースペースはブリヂストンが優位だったので、それだけに残念ですね」