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「週末映画館でこれ観よう!」今週の編集部オススメ映画は『ヴェノム』

2018年11月02日 23:32  リアルサウンド

リアルサウンド

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 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、リアルサウンド映画部のダークヒーロー・宮川が『ヴェノム』をプッシュします。


参考:銃火器が一切通じないヴェノムの戦闘シーン 『ヴェノム』本編映像公開


 スパイダーマン最大の宿敵として知られるマーベル・コミックの人気ヴィラン、ヴェノム。そんな人気ヴィラン誕生の瞬間を映画化する本作は、正義感溢れる有能なジャーナリストのエディ・ブロックが、人体実験が行われているという噂が出ていた「ライフ財団」を取材するも、“ヴェノム”と名乗る“シンビオート”(地球外生命体)に寄生されてしまう模様が描かれる。


 ヴィランとして高い人気を誇るキャラクターを映画化するという点、しかもヴィランを主人公に据えるという点からも、情報が出た当初から本作には賛否が渦巻いていた印象だ。だが、『ゾンビランド』や『L.A. ギャング ストーリー』といった話題作を手掛けたきたルーベン・フライシャーが監督、そして『ダークナイト ライジング』でバットマンと敵対するヴィラン、ベインを好演したトム・ハーディが主演を務めるということ、さらに、劇中のヴェノムの写真やトレイラーなど情報が次第に明らかになっていく中で、ファンの期待値が大きく高まっていったのも事実だろう。


 しかし、日本公開に先駆け10月5日に全米で封切られると、批評サイトRotten Tomatoesでは、批評家によるレビューを集計してパーセンテージで表示するTomatometerが29%と大苦戦。一方で、Audience Scoreが87%という高い数字を記録しているように、興行収入の面では、10月公開作品として歴代最高のオープニング成績を記録し、全世界興行収入は公開4週目にして5億ドル(約550億円)を突破するという大ヒットを記録中だ。


 本作が高い評価を得ている理由としては、やはりヴェノムの再現度が挙げられるだろう。地球外生命体であるシンビオートのなんとも言えない質感や寄生の様子、そして長い舌や大きな白い目などのヴェノムそのものをどこまで映像で表現できるか。ここに関しては、予告編などでも観られるように、その寄生の瞬間やバトルシーンなど、ほぼ完璧と言っていいほどに映像として見応えのあるものになっている。


 そして主人公エディ・ブロック/ヴェノム役のトム・ハーディの魅力も光る。これまでに彼が多く演じてきたような、男らしいカッコいいトム・ハーディではなく、何をやってもうまくいかないような“ダメ人間”のトム・ハーディが観られるのも楽しい。寄生されたヴェノムとエディ自身が会話をする場面も多々あるのだが、それもまるでコントを観ているかのようなコミカルなシーンに仕上がっている。ちなみに、エディの恋人アンを演じているミシェル・ウィリアムズがミニスカートで全力疾走する姿が言うまでもなく素晴らしいことは強調しておきたい。


 サム・ライミ監督による最初の実写版『スパイダーマン』シリーズの第3弾『スパイダーマン3』に登場していたヴェノムだが、そんなことは記憶から消えてしまうほど本作のインパクトは強い。だが、かく言う自分もそうだったのだが、事前にいろいろな情報を得ていた人の中で、本作の“ある部分”に不満を抱く人はたくさん出てくるかもしれない。それはネタバレにもつながってしまうのでここでは記さない。ぜひ劇場で確かめてほしい。(リアルサウンド編集部)