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藤井流星と中山美穂の関係が一歩先に 『黄昏流星群』瀧沢一家、波乱の全員浮気状態

2018年11月02日 06:02  リアルサウンド

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 ゆっくりと育んでいたそれぞれの想いが突然急展開を迎えた『黄昏流星群~人生折り返し、恋をした~』(フジテレビ系)第4話。瀧沢完治(佐々木蔵之介)は目黒栞(黒木瞳)とのデートを高校生のようなピュアな気持ちで楽しむ。一方、栞は完治からどこか女性として見られたいという願望が見え隠れする。さらに完治の妻・瀧沢真璃子(中山美穂)は娘の婚約者である日野春輝(藤井流星)にすっかり夢中。夢の中でキスするほどに心酔していた。


参考:『黄昏流星群』佐々木蔵之介が50歳で挑んだ“運命の恋” 「清く正しく美しくあろうとしている」


 第4話の見どころといえばやはり藤井流星の見せたキス未遂シーンと、真璃子との映画館デートで見せたいたずらっ子のような笑顔だろう。第4話までは爽やかな好青年であり、真璃子を夢中にさせるようなシーンはあるものの、下心は感じなかった春輝。


 しかし4話では一転、映画に行くシーンで積極的に真璃子の手を引くなど、明らかに”彼女の母親”相手とは思えない行動が続く。この芝居を藤井は、年下男子の魅力全開で演じたのだ。はにかんだような笑顔や、腕をとる姿、婚約者である瀧沢美咲(石川恋)に好かれている気がしないとぼやくなど、完全に真璃子を落としにかかっているように見受けられる。そんな姿に真璃子はたちまち夢中になった。真璃子は夫の完治が浮気しているような素ぶりを見せるとすぐに、水原聡美(八木亜希子)の「それは黒だね!」という言葉を思い出すが、客観的に見れば真璃子の浮つきようにも「黒だね!」と言いたくなる。


 この一連のシーンで真璃子と春輝が完全に恋に落ちていることがわかった一方、完治と栞はさらに先へと進もうとする。栞の母が骨折したことで登山デートが中止になりそうになると、完治はなぜか突然彼氏ヅラで栞の母にまで会いに行く。完治はもはや家庭を持っているということすら忘れ、栞に猛アタック。”その先”がなくてもいいなどと謎の宣言で、女として見られたい栞を困惑させた。しかし栞の本音を聞くや否や、手を繋いで2人でホテルに入る。しかし、そこでは娘である美咲がロマンスグレーの男性とキスしていた。


 4話では美咲の首のキスマークを見て悶々とする真璃子が描かれる伏線が入る。それは、美咲が健全な付き合いをしているのか心配になる母というよりは、自分が好意を持つ春輝が美咲にキスマークをつけたのではないか、というニュアンスも含まれるのであった。しかし後半の美咲の浮気シーンでその伏線を華麗に回収。瀧沢一家全員浮気状態を生み出した。


 同ドラマは役に対しての辻褄合わせが非常に巧みである。故に、なぜ美咲がはるかに年上の男性と浮気をするか、春輝が美咲の母に惹かれているのか、その背景を描くのが上手い。ファザコンの美咲とマザコンの春輝、そして突然色めき立つ両親というシュールな展開ながらも、勢いある脚本に引き込まれつい先が気になってしまう。次週はさらに瀧沢家を取り巻く環境を掘り下げた部分まで垣間見ることができるだろう。急に艶っぽくなった同ドラマは第5話をどう展開するのだろうか。(Nana Numoto)