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2018年は“恋愛ドラマ”の秋! 10代から50代まで幅広い主人公たちの恋の行方

2018年11月02日 06:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 2018年秋は、久しぶりに恋愛ドラマが豊富にラインナップ。しかも、恋する主人公たちは10代~50代と幅広い。最近は刑事モノや医療モノに押され気味の印象だが、連ドラを楽しむ上で、やっぱり恋愛モノのときめきは外せない。待ってましたとばかりに、今期の恋愛ドラマを紹介していきたい。


【写真】ガッキー×松田、戸田×ムロ、有村×岡田、佐々木×黒木


■戦う女子の胸を熱くする『獣になれない私たち』(日本テレビ系)


 主演・新垣結衣×脚本・野木亜紀子の『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)コンビ復活とあり、放送前から注目度が高かった『けもなれ』。第4話を終えたところでいえるのは、やはり信頼と実績の野木品質ということ。


 仕事ができる……いや、できてしまう晶(新垣)は、京谷(田中圭)という一見ステキな彼氏持ち。だが、京谷の家には別れて4年になる元カノ・朱里(黒木華)が住み着く異常事態。自分が精一杯動いても、相手が動いてくれなければ何も変わらない状況は、心底むずがゆく、がんばるほどにむなしくなるもの。すべては京谷の優しさが招いたループだが、その優しさを知る晶の「他の人を好きになりたい」という本音には、ついため息がこぼれてしまう。


 第4話では、飲み仲間の間柄だった晶と恒星(松田龍平)が、「ラブかもしれないストーリー」への進行を見せてきた。現代女性のリアルを投影した可愛いガッキーを崇めながら(この美貌が、仕事面ではマイナス要素という描かれ方も秀逸)、物語の行方を見守りたい。


■戸田×ムロが魅せる本物の愛『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)


 若年性アルツハイマーの前段階にある女医・尚(戸田恵梨香)が、大ファンだった元作家の真司(ムロツヨシ)と運命の恋に落ちる物語。「ラブストーリーの名手」とも称される脚本家・大石静のオリジナル作品だ。


 婚約者がいながら、偶然出会った真司との恋に燃え上がる尚。はじめは彼女を拒んでいた真司だが、「私のことがタイプ?」「ご飯行こう」とグイグイ攻め続ける尚に根負け。人生初のアップルパイを頬張る姿は微笑ましく、さりげなく手をつなぐ真司には「あれ? ムロさんってこんなにカッコよかったっけ」という錯覚(でしょうか?)に陥ってしまう。


 第2話のラストで描かれた「キスの拒否」も絶妙で、いつまでもこの関係が続けばいいのに……と願わざるをえないほど、お似合いの2人。アルツハイマーをテーマとした作品は多いが、唯一無二の空気感を持つ尚と真司の大恋愛の行く先は、それらとは一線を画すものとなりそう。脚本とキャストの相乗効果が素晴らしく、早くも良作の気配がプンプン。どうかこのまま、失速せずに駆け抜けてほしい。


■道を踏み外した危うい恋に身悶え『中学聖日記』(TBS系)


 有村架純が初の教師役に挑み、相手となる中学生役には今作でデビューの新人・岡田健史を起用した話題作。女性教師・聖(有村)は婚約中でありながら、「好きになっちゃいました」とストレートに思いをぶつける男子生徒・黒岩晶(岡田)に徐々に惹かれていく。


 まず言えるのは、岡田が持つポテンシャルの高さ。本サイトでインタビューを行った際(https://realsound.jp/movie/2018/10/post-260800.html)、彼を目の前にして感じた実直さが物語にも巧く反映されている印象で、SNSでも「初々しい」といった声があふれている。一方で、聖の彼・勝太郎役の町田啓太は大人の魅力を惜しげもなく解放。第2話での聖と勝太郎のイチャイチャシーンには、あっさり心を持って行かれてしまった。だって、あの不意打ちキスの破壊力よ……。


 教師と中学生の恋愛なんてあってはならない。しかも、聖には勝太郎という最上ランクの彼もいる。それでいて、なにゆえ晶に惹かれてしまうのか。恋愛=理屈じゃないことは百も承知だが、聖の心の移り変わりがどう描かれていくのかは、やはり注目したいところ。未だミステリアスな勝太郎の上司・原口(吉田羊)の動向も気になるばかりだ。


■刺激的な大人の恋を覗き見『黄昏流星群~人生折り返し、恋をした』(フジテレビ系)


 銀行マンとして支店長まで上り詰めた完治(佐々木蔵之介)だが、理不尽な理由で出向を命じられてしまう。完治は突如単身スイスへ旅立つと、そこで出会った栞(黒木瞳)に心が揺れ、強引にキスまで……。さすがにこの展開には驚いたが、と同時に完治の純粋さに気づかされる。「好きだから、会いたい」という構図は、『中学聖日記』の黒岩くんと変わらないほどピュアでまっすぐだ。


 一方、完治の浮気を疑う妻・真璃子(中山美穂)も、娘の彼氏である春輝(藤井流星)に惹かれてしまう。この状況、どう考えても夫より妻のほうが問題で、これまで生活のすべてを捧げてきた尊い一人娘とのバトルは泥沼化必至。とはいえ春輝の爽やか好青年ぶりは反則レベルで、真璃子が恋に落ちるのも頷ける。ドラマが掲げるのは「運命の人なんて、何歳で出会うかわからないから、怖いのだ。」というキャッチコピーだが、文字通り、怖いもの見たさで大人の恋を追うことになりそうだ。


 改めてあげてみると、もともと他に“本命”がいるというのが、今クール恋愛ドラマの共通項。ちなみに言うと、11月10日スタートの『あなたには渡さない』(テレビ朝日系)もまた、本妻役・木村佳乃に愛人役・水野美紀が「ご主人をいただきにまいりました」と迫るフルスロットルの不倫モノである。


 それぞれ新たな彼のもとへ飛び込むのか、元サヤに戻るのか。揺れ動くキャラクターたちの、恋の結末はいかに。


(nakamura omame)