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音楽性について定量的に評価!?データサイエンティストが曲を解析、AIをつかって音楽性を解き明かす

2018年10月31日 21:02  Techable

Techable

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データサイエンティストのHaebichan Jungさんは、データ解析とAIによってアーティストの楽曲の特徴を抽出している。

対象となったのは、最近米TIME誌の表紙を飾り、飛ぶ鳥を落とす勢いのK-popアーティスト、BTS(防弾少年団)だ。

BTSの楽曲がこれほど人々を魅了する理由はなんなのか、他のアーティストとの違いを解き明かそうとの試みがおもしろい。・音楽性について定量的に評価音楽的特徴の指標については、Spotifyが独自に設定したものを利用している。

BTSと他のK-PopアーティストのデータをSpotify APIにより収集。計2673曲を解析して、BTSの楽曲に関する特性を抽出した。

まず6つの指標をシンプルに比較したところ、BTSの楽曲はトラック内に歌詞が含まれていることを示す「Speechiness」が高く、他のアーティストの3倍近くとなっていた。

実際、BTSの楽曲ではPOPsとHip-Hop、ラップが混在しているものが見られ、歌詞が含まれるトラックが異常に多いことがわかる。・AIにBTSの楽曲を予測させる次に筆者は、機械学習アルゴリズムを用いて、11個の音楽的指標を学習させ、楽曲がBTSのものかを予測する分類器を構築した。

グラフでのSHAP値は、予測の際に各指標がそれぞれどれくらい影響しているかを数学的に計算したものだ。このSHAP値の正/負の値が大きいほど、予測に及ぼす正/負の影響力が大きくなる。

また、それぞれの指標の高/低により、グラフは赤/青を示す。例えば、「speechiness」が高いと赤い点、低いと青い点となる。

これらを考慮して見ると、グラフからは「speechiness」がBTSの曲を予測するにあたって最も重要な特徴だったことがわかるだろう。・欧米のアーティストとも比較BTSと欧米のアーティストを比較することで、分析をさらに進めている。

Kelly Clarkson、One Direction、Bruno Marsなどのアーティストの音楽データを収集し、同じモデルにてBTSの曲を予測したところ、「speechiness」については同様に影響力が高かった。

おもしろいことに、「energy」(エネルギッシュ性)については、欧米のアーティストよりも顕著に高いにも関わらず影響力に関してはそれほどでもなかった。

また、「acousticness」(音響性)についてもBTSの曲が欧米のアーティストよりも顕著に低いにも関わらず、曲の予測での影響力は低かった。

続編として、リリックについても解析する予定とのことで、ご興味ある方は照会いただきたい。

参照元:The Data Science of K-Pop: Understanding BTS through data and A.I./Towards Data Science