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Apple、新型iPad Pro、MacBook Air、Mac miniを発表 確実な進化に海外メディアは高評価

2018年10月31日 19:52  リアルサウンド

リアルサウンド

 Appleは10月30日、新製品を発表する特別イベントを開催した。発表された新製品とその新機能に関しては大方の予想通りであり、「確実に進化するApple製品」という昨今の同社に抱かれるイメージを改めて印象づけた。


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美しく大きな画面の新しいiPad Pro


 今回の発表で筆頭となるのは、やはり長らく新モデルのリリースが噂されていた新しいiPad Proだろう。今回発表されたのは11インチと12.9インチの2モデルなのだが、いちばんの特徴はベゼルレスかつノッチなしというデザインを採用して、かつてないディスプレイの専有面積を実現したことだ。ホームボタンもなくなり、代わりにiPhone Xシリーズに採用されているTrue Depthカメラを実装したことにより、Face IDによってロック解除する仕様となった。


 ディスプレイを端末のエッジ近くまで広げることはできたのは、iPhone XRでも利用されているLiquid Retinaディスプレイを採用したからだ。また、端末の処理能力を司るチップにはA12X Bionicが使われた結果、ほとんどのノートPCより高速な処理を実現した。さらに、コネクタはUSB-Cの規格が採用され、周辺機器との接続において利便性が高まった。


 Apple Pencilも新世代モデルが発表された。ペンをダブルタップすると消しゴムを含めた描画機能の切り替えができ、ペアリングと充電はiPad Proの側面に組み込まれた磁石につけるだけで可能となった。


 ストレージ容量は64GB、256GB、512GB、1TBが用意され、価格は11インチモデル64BGが89,800円、12.9インチモデル64GBは111,800円となっている。


操作しやすいMacBook Air、コンパクトなMac mini


 新しいMacBook Airも発表された。同シリーズの外見上の特徴であるウェッジ型ボディ(横から見るとくさびのように見える)のデザインを踏襲しながら、ベゼルが細い13.3インチの高解像度Retinaディスプレイを採用している。ロック解除には、iPhoneシリーズに実装されている指紋認証技術Touch IDが使われた。さらに、感圧タッチトラックパッドが実装され、トラックパッドを押す指の圧力に応じて様々な操作を割り当てることができるようになった。


 また、予想されていた通り新しいMac miniが発表された。4年ぶりの新モデルとなった同製品は大幅な処理能力の向上が図られた結果、例えばiOSアプリの開発環境であるXcodeを使ってアプリをビルドする場合、前モデルに比べて2.2倍速くなった。処理能力の向上を実現しながら、製品の大きさは前モデルと同じ19.7cm x 19.7cm x 3.6cmとコンパクトである。


 なお、新しいMacBook Airは128GBステージモデルが134,800円、新しいMac miniの128GBストレージモデルが89,800円となっている。


海外メディアは高評価
 テック系メディア『Techrsdar』は、新しいiPad Proを前モデルと比較したレビュー記事を公開した。デザインやディスプレイといった主要仕様を比較すると、iPad Proは明らかに前モデルより良いものになっている。しかしながら、同製品は廉価なノートPCに匹敵する価格に上昇してしまっている。それでも、同製品には他のタブレット端末が色褪せて見えるほどの魅力がある、と高く評価している。


 Apple製品専門メディア『Macworld』は、今回の発表においてMacBookシリーズではなくMacBook Airシリーズの新モデルがリリースされたことを高く評価している。というのも、MacBook Airシリーズが更新されたことで、Apple製品のラインナップからウェッジ型ボディのノートPCがなくならずに済むからだ。さらに、新しいMacBook Airは142,800円のエントリーモデルのMacBookより安く買えることが高評価のポイントだとしている。


 テック系メディア『Ars Technica』は、Mac miniをレビューした記事を公開した。同記事は、新しいMac miniが前モデルと比較して大幅に処理能力を向上させながら、製品のサイズが大きくならなかった点を高く評価している。そして、オフィス等でMac miniを複数台使用する時には、同製品を積み重ねればスペースを節約できるだろう、と述べている。


 今回のApple新製品の発表では、Face IDやTouch IDのようなiPhoneシリーズで実装して実績のある最新技術を他の製品にも水平展開する、という傾向が見てとれる。こうしたiPhoneを先頭としたApple製品の確実な進化は、今後も継続されるだろう。


(吉本幸記 )