CTCCチャイナ・ツーリングカー・チャンピオンシップの第7戦が10月27~28日の週末に中国上海の天馬サーキットで開催され、SAIC VW333レーシングの『フォルクスワーゲン・ラマンドGTS』をドライブする2018年BTCCイギリス・ツーリングカー選手権王者のコリン・ターキントンがポールポジションを獲得するもレース1勝者はアレックス・フォンタナ(キアK3 2.0T)に。また、レース2では東風起亜レーシングに加入したアンドレ・クートがキアK3 2.0TでCTCC初勝利を飾った。
SAIC VW333レーシングのレギュラーを務めるWTCR世界ツーリングカー・カップ・ドライバーのロブ・ハフの代役という形で、先のCTCC寧波戦にスポット参戦を果たしたクートは、シーズン最終戦を前にしたこの第7戦でファクトリー・バックアップを受ける東風起亜レーシングからオファーを受けチームに合流。
ドライバー、チームの両選手権ランキングで首位を行くキアのタイトル獲得をアシストするべく、新たに『キアK3 2.0T』のステアリングを託されることとなった。
同じく、クートの跡を引き継ぐ形でハフの代役に起用されたターキントンは、WTCR日本戦に参戦したエースの代わりにCTCCへのチャレンジを継続。
WTCR併催だった第6戦武漢市街地では3位表彰台を獲得しながらも、アルコンのブレーキキャリパーとパッドにホモロゲーションステッカーが添付されていなかったことから審議が続いていたが、この第7戦の週末を前にリザルトが正式に確定。晴れてポディウムフィニッシャーとして、天馬でのレースに挑むこととなった。
そのターキントンは、デビュー戦の武漢でもポールポジションを獲得した勢いそのままに、この天馬で2戦目となる『フォルクスワーゲン・ラマンドGTS』を完全に自分のものとし、30分の予選セッション中盤には1分04秒961の最速タイムを記録。
キアの選手権リーダーであるレオ・リーや、セッション終盤にタイムを更新したインターナショナル・ワイルドカード枠のアレックス・フォンタナ(キアK3 2.0T)らの挑戦を退け、2番手フォンタナに対し0.063秒差で2度目のポールポジションを手にした。
■アンドレ・クートが初めてのキア車でトップチェッカー
しかし同日午後に開催されたレース1では、ポールシッターのターキントンがスタートで大きく失速。デビュー戦時にも口にしていた前輪駆動ツーリングカーでのスタンディングスタートにまだ完璧に適応することができず、選手権を争うキア勢に先行を許す展開に。
その後、序盤の10周をチームメイトであるロドルフォ・アビラ(フォルクスワーゲン・ラマンドGTS)の背後4番手でレースを進めたターキントンだったが、チームの戦略で3番手に上がりキアを追う役目を担うも、キャッチアップすることは叶わず。
最終ラップでアビラに表彰台を譲るべく、ふたたび4番手にポジションを入れ替えてチェッカーを受け、フォンタナ、リーの『キアK3 2.0T』がワン・ツー・フィニッシュとなった。
このレース1で10位フィニッシュとなったクートがリバースポールからスタートとなったレース2は、スタートで長安フォードFRDチームの1台、第4世代『フォード・フォーカスCTCC』をドライブするアンディ・ヤンに先行を許し、クートは2番手へと後退。
その背後にもフォードのワイルドカード枠で参戦するジョシュ・バードンがつけ、フォード勢に挟まれる形で序盤戦を過ごしたクートだったが、この3台は接近戦を繰り広げながら後続とのギャップを広げていくと、19周目にはクートがヤンをオーバーテイクし首位浮上に成功。
そのまま4秒差までマージンを広げ、キア初乗車のクートが見事にトップチェッカー。東風起亜レーシングにとっては週末連勝となり、チームタイトル獲得に向け大きな貢献を果たすリザルトとなった。
また、2位ヤン、3位バードンのフォード勢に続き、レース終盤にファステストラップを更新しながら猛追を見せたBTCC王者が4位でフィニッシュ。そのターキントンに喰らい付いたレース1勝者のフォンタナが5位に入っている。