フェラーリF1のセバスチャン・ベッテルは、2018年シーズンのルイス・ハミルトンとのタイトル争いにおいて、自らの足場を失う転換点となったのはシンガポールGPだったと考えている。
最大のライバルであるハミルトンとベッテルは、夏の終わりまでは接戦を繰り広げていた。しかし、その後はハミルトンが優位に立ち、今季あと2戦を残したメキシコGPで5度目のドライバーズタイトルを手中にしている。
2018年シーズン前半は優勢だったベッテルだが、その後はレース中のアクシデントやチームの判断ミスが続いたこともあり、ポイントランキングでハミルトンの逆転を許した。
中盤までは十分なリードを広げていたドイツGPでの手痛いミスと、イタリアGPでの1周目の失態により、ベッテルはかなりのポイントを取りこぼした。だがベッテル自身は、2018年の戦いを振り返ったとき、その行方を決定づけたのはシンガポールGPだったと考えている。
「僕にとっては、シンガポールのほうがより決定的だった」とベッテル。
「シンガポール以降の数レースは、メルセデスについていけるだけのペースを得られていなかった。それに加えて、僕たちの助けにはならないような出来事もいくつか起きていた。チームがミスを犯し、僕個人がミスを犯し、結果としてポイントを稼げなかったんだ。プラスになる要素がなかった」
「ドイツで起きたことについては、自分をひどく責めようとは思わない。今季はもっとずっと大きなミスも犯しているからね。ただ、あのミスが最も高くついた」
「残念ながら、あれもレースの一部なんだ。プッシュしようとするときに、少しやり過ぎてしまうことがある。しかも僕はあのとき、間違ったコーナーを選んでしまっていた」
2019年シーズンは「メルセデスを王座から追い落とす」と決意しているベッテルだが、その前にまずは、コンストラクターズ選手権でフェラーリがメルセデスに勝つために、残されたチャンスに集中していくという。
「これからの2週間で、自分たちの力をあらためて証明できる可能性はあると思う。僕たちはチームのために戦うつもりだし、メルセデスを捉えていればチャンスはあるよ」とベッテル。
「もう少しポイントを獲得する必要はあるけれど、アメリカGPは良い展開だったし、前戦のメキシコGPも良かった。だから、最後の2レースでも同じような戦い方を続けられればいいね」