今週末、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットでMotoGP第18戦マレーシアGPが開催される。日本、オーストラリア、マレーシアと続く3連戦のラストレース。今レースが終われば、最終戦のバレンシアGPを残すのみとなる。
マレーシアGPの舞台となるセパンサーキットは、1999年から世界グランプリのホストコースとしての歴史があり、MotoGPクラスのシーズンオフのテストの舞台としても利用されている。
1周5.548kmのコースは、約900mの2本のストレートを持ち、右コーナー10、左コーナー5の計15のコーナーで構成されている。MotoGPクラスのアベレージスピードは約165km/hと中速コース。スタート直後の1、2コーナーは右左の切り替しのあるタイトコーナーだが、その後は中高速コーナーや回り込んだコーナーが続くテクニカルコース。
熱帯地方にあるため、高温多湿でライダーのフィジカル面ではタフなコースとしても知られており、さらに突然のスコールなど、セッション中にコースコンディションが急変することもある。
昨年のMotoGPクラスはウエットコンディションで争われ、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)が優勝、ホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)が2位、ヨハン・ザルコ(ヤマハ)が3位に入賞した。
Moto2クラスはレース終盤に雨が落ち始めたものの、本格的なウエットとはならず、ミゲール・オリベイラ(KTM)が優勝、2位にブラッド・ビンダー(KTM)が続き、KTMがワン・ツー・フィニッシュ。フランコ・モルビデリ(カレックス)が3位に入賞し、チャンピオンを獲得。Moto3クラスではジョアン・ミル(ホンダ)が優勝、ホルヘ・マルティン(ホンダ)が2位、エネア・バスティアニーニ(ホンダ)が3位に入賞した。
■インディペンデントライダーの争いが接戦に
日本GPでタイトルを獲得したマルク・マルケス(ホンダ)が、続くオーストラリアGPの予選でポールポジションを獲得。マルケスは予選ランキングでもあるBMW Mアワードも獲得したが、決勝では接触により今シーズン初のリタイアに終わってしまった。
ランキング2位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)はオーストラリアGPではドゥカティで初の表彰台となる3位に入賞、ランキング3位のバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)はオーストラリアGPでは6位に終わり、ふたりのポイント差は15ポイントに広がった。
ランキング4位のマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)は、オーストラリアGPで今シーズン初優勝を飾り、ヤマハにとっても今シーズン初優勝となった。
カル・クラッチロー(ホンダ)はランキング5位をキープし、インディペンデントライダーのトップにつけているが、オーストラリアGPのフリー走行2回目で転倒、右足首を骨折したため、今レースも欠場することになった。代役としてHRCのテストライダーでもあるステファン・ブラドル(ホンダ)が参戦する。
ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)がランキング6位に浮上。ヨハン・ザルコ(ヤマハ)はオーストラリアGPでマルケスと接触転倒、ノーポイントに終わり、ランキング6位に後退してしまった。インディペンデントチームのライダーランキングトップ争いは、クラッチローがペトルッチに11ポイント差をキープしているが、ペトルッチとザルコは4ポイント差。クラッチローが2戦連続欠場となることで、シーズン終盤に差し掛かって、接戦となっている。
オーストラリアGPで2位に入賞したアンドレア・イアンノーネ(スズキ)はザルコと同ポイントでランキング8位に浮上。2戦を欠場したホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)はランキング9位に後退したが、左手首のじん帯の手術を受け、今レースでの復帰を予定している。アレックス・リンス(スズキ)はランキング10位に後退したが、ロレンソとは1ポイント、イアンノーネとは4ポイント差と接戦になっている。
オーストラリアGPでロレンソの代役としてドゥカティファクトリーから参戦したアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)は、今シーズンベストの4位でフィニッシュ。ランキング11位に浮上した。ロレンソの復帰で、今レースはアンヘル・ニエト・チームからの参戦となる。
現役引退まで残り2レースとなったダニ・ペドロサ(ホンダ)だが、オーストラリアGPでは転倒リタイアに終わり、ランキング12位に後退。オーストラリアGPのウイーク中には2019年よりKTMのテストライダーとなることを発表した。ペドロサはMotoGPクラスでは通算3勝を記録するなどセパンを得意としており、活躍が期待される。
中上貴晶(ホンダ)はランキング20位、日本GP、オーストラリアGPと入賞しているものの、内容には満足しておらず、セパンで巻き返しを図る。